若者のお茶離れ、外国産の茶葉の台頭…台湾で落ち込む烏龍茶需要を救う"紅烏龍茶"とは――不思議な名前を持つ「女兒不懂茶」創業者(31)に話を聞く

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主要顧客は30~50代の女性で、神農生活が当初想定していたよりも上の世代だ。だが、創業当初のコンセプトは今も変わらず、店内には「ていねいな暮らし」が実現できそうな品々が取り揃えられている。

女兒不懂茶はその中のブランドの1つとして、2023年3月から神農生活で販売されている。

范姜群季氏は、「最近は農業分野で、女兒不懂茶の廷瑀氏のような若い世代の挑戦が目立っています。こだわりを持つ生産者や若い世代の発想は、これからの市場の発展にとって重要な存在だと思います」と話す。

女兒不懂茶について率直な意見を聞くと、黄琦詠氏がこう話してくれた。

「茶農家として40年の経験を持つ林潮意氏と娘の林廷瑀氏が、親子で頑張っているブランドですね。彼らの茶園は台東の鹿野郷にある上将茶園です。この茶園は、海洋山脈と中央山脈に囲まれた肥沃な平原にあります。そこで真摯に、自然農法にこだわり抜いている。とにかく良いものを作ろうと一生懸命です」

神農生活台北南西店のお茶コーナー(写真:筆者撮影)

世界に「紅烏龍茶」を届けたい

廷瑀氏は語る。「台湾の多くの人たちに、おだやかな心でお茶を楽しむ時間を届けたい。できれば世界にも」。故郷の鹿野から台湾全土へ、そして世界へ――。廷瑀氏の挑戦はまだまだ続く。

お茶の師匠である父と娘の二人三脚。今後の展開が楽しみだ(写真:女兒不懂茶提供)
市川 美奈子 台湾在住ライター

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いちかわ みなこ / Minako Ichikawa

台湾・台北市在住。早稲田大学第一文学部卒業、北京外国語大学同時通訳コース修了。大学卒業後、自動車メーカーや外務省外郭団体などで中国・台湾関係の業務に従事。現在は地方公共団体のワーママ駐在員として、夫を日本に残し小学生の息子と共に台北駐在中。北京でも5年の勤務経験あり。世界100か国350人以上のメンバーを誇る現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブhttps://www.kaigaikakibito.com/」の会員。海外書き人クラブアウォーズ2025最優秀新人賞受賞。

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