若者のお茶離れ、外国産の茶葉の台頭…台湾で落ち込む烏龍茶需要を救う"紅烏龍茶"とは――不思議な名前を持つ「女兒不懂茶」創業者(31)に話を聞く

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紅茶と同様、台湾茶にも、フルーツや花や香料などで香りをつけたフレーバーティーが存在する。香りも見た目も華やかになるため、特に若者世代に受け入れられている。

「同世代も茶に親しんでもらいたい」という目的を達成するためには、フレーバーティーを開発するというやり方もあっただろう。

しかし、お茶好きのなかには、「フレーバーティーは邪道だ」と言って、敬遠している人たちがいるのも事実だ。廷瑀氏は、「同世代にもお茶に親しんでもらいたい」という想いを、茶葉と技術で実現する道を選んだ。

紅烏龍茶の製茶工程に欠かせない発酵や焙煎の方法を工夫することで、香料を一切使用せずに果物のような香りを引き出すことにこだわった。

オリジナル(左から2番目)のほかに、柑橘系の香りがするお茶(左)や、スモーキーさを特徴とするお茶(真ん中)などがある。パッケージは、大学での専攻を生かし廷瑀氏本人がデザインした(写真:女兒不懂茶提供)
ガラスの茶器セット。外装にはQRコードつき。読み取ると、茶園で収録した鳥のさえずりなどが聴けるようになっている(写真:筆者撮影)

「ていねいな暮らし」の1つに 

女兒不懂茶は人気食雑貨セレクトショップ「神農生活」でも販売されている。台湾茶業界の就労人口は9万人で、お茶専門店の数は無数にあるが、現在神農生活が取り扱っている台湾茶は、10ブランド程度にすぎない。

神農生活の范姜群季(ファンジアン・チュンジー)CEOと黄琦詠(ホワン・チーヨン)オペレーションディレクターによると、同ショップは若い人がコンビニなどで適当に食事をすませるのではなく、「ていねいな暮らし」の練習をしてもらいたいと考え、立ち上げたという。

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