忘れられない高校時代の気まずい思い出
私には今も鮮明に覚えている、気まずい思い出があります。
高校時代のある昼休みのことでした。「国語って、どうやって勉強したらいい?」と、同級生の女の子に聞かれたのです。それほど親しい仲ではない私に、そんなことを聞くなんて、よほど悩んでいたのでしょう。彼女の手には、国語のノートが握られていました。
見せてもらうと、整った字で、国語の板書が写されていました。一方の私は、板書を写すどころか、国語のノートをそもそも作ってさえいませんでした。予習も復習もしていません。にもかかわらず、国語の成績はいつもクラスで一番でした。
どうしてだろう……と慌てて考えてみたのですが、何も思いつきません。咄嗟に私の口から出た言葉は、「文学読んでみたら?」でした。それが正解だという理由も自信もありませんでしたが、当時の私にはそれ以外の答えが見つからなかったのです。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら