枡野:不安の雪だるまを、いかに転がさずに止めるかですね。
不安は夜に膨らむものでもあります。暗い闇は、心細くなり、負の方向へ考えがちです。一方で、太陽の下で思考すると、夜は不安だと感じていたことが、意外とたいしたことではないと思えたり、解決策が浮かびやすかったりします。
夜に不安なことを考えると、寝ている間もそれに引きずられて熟睡できません。朝に考えて、朝に判断すればいいのです。
不安になりがちな人にまず勧めること
武田:不安になった時、人間の体は、猛獣に追われて何とか逃げなければいけないというような、アドレナリンが出た状態になっています。
ですから、カウンセリングでは、まずは体を落ち着かせることをやります。枡野さんが本に書いておられたように、呼吸法も利用します。
枡野:考えすぎてしまう人や、不安になりがちな人には、まず呼吸法をおすすめします。
初めて人前で話す時は、胸がドキドキして地に足がつかなくなりますが、そういう時は、姿勢が前傾して、胸式の浅い呼吸になっています。すると、血管が収縮して血流が悪くなります。ですから、ますますドキドキしてしまうんですね。
そこで、背筋を伸ばして骨盤を立てる。その姿勢でしばらく長い腹式呼吸をしていると、確実に落ち着きます。