武田:スマホやパソコンは、私もよく使っていますが、「道具だ」と意識しておく必要がありますね。
「お金」の不安をどうするか?
武田:五感のお話にもつながりますが、違和感をちゃんと感じることも大事だと思います。
例えば、1日8時間働いても、最低賃金では生計を立てるのが大変です。相談者さんの中には、「今が大変なのは自分の努力や能力が足りないからだ」と自分を責める方がおられますが、そうではなく、社会のほうがおかしいということがあるのです。
自己責任論が行き過ぎると、足がすくんでその状況から動けなくなってしまいます。全部を自分のせいにせず、「これはおかしい」と違和感を持ってもいいんです。そうすると、すこし落ち着いて、「じゃぁ、どうしたらいいのか」を考えることができます。
「状況を変えるために転職しよう」「選挙で政策を見て選ぼう」など、人生を良い方向に進める選択肢に目が向くようになるんです。嫌なものは嫌だと感じてほしいと思っています。
枡野:「お金を稼がねばならぬ」と思うと、それに取りつかれて、今やらなければいけないことが目に入らなくなることがあります。
禅では、目の前にあることを成していけば、結果的に金銭もついてくる、だから、心配せずにやるべきことをやるんだという考え方を大事にします。
もう1つ、負の状況をプラスに転じるという考え方も大事にします。「雨が降って憂鬱だな」と思うか、「今日はあの傘を差して、この服を着て雨を楽しもう」と思うか。
アジサイやハナショウブは、濡れているところが美しいものです。晴れには晴れの楽しみ方、雨には雨の楽しみ方がある。
これを「日々是好日」と言います。負の状況だからこそ、どうプラスに転じられるかという発想を持ってほしいと思います。
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