【心のプロにきいてみた】「不安は消える!」考えすぎないための心の整え方 "繊細さん"のための悩みを軽くするヒント

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武田:スマホやパソコンは、私もよく使っていますが、「道具だ」と意識しておく必要がありますね。

「お金」の不安をどうするか?

武田:五感のお話にもつながりますが、違和感をちゃんと感じることも大事だと思います。

例えば、1日8時間働いても、最低賃金では生計を立てるのが大変です。相談者さんの中には、「今が大変なのは自分の努力や能力が足りないからだ」と自分を責める方がおられますが、そうではなく、社会のほうがおかしいということがあるのです。

自己責任論が行き過ぎると、足がすくんでその状況から動けなくなってしまいます。全部を自分のせいにせず、「これはおかしい」と違和感を持ってもいいんです。そうすると、すこし落ち着いて、「じゃぁ、どうしたらいいのか」を考えることができます。

「状況を変えるために転職しよう」「選挙で政策を見て選ぼう」など、人生を良い方向に進める選択肢に目が向くようになるんです。嫌なものは嫌だと感じてほしいと思っています。

枡野:「お金を稼がねばならぬ」と思うと、それに取りつかれて、今やらなければいけないことが目に入らなくなることがあります。

禅では、目の前にあることを成していけば、結果的に金銭もついてくる、だから、心配せずにやるべきことをやるんだという考え方を大事にします。

もう1つ、負の状況をプラスに転じるという考え方も大事にします。「雨が降って憂鬱だな」と思うか、「今日はあの傘を差して、この服を着て雨を楽しもう」と思うか。

アジサイやハナショウブは、濡れているところが美しいものです。晴れには晴れの楽しみ方、雨には雨の楽しみ方がある。

これを「日々是好日」と言います。負の状況だからこそ、どうプラスに転じられるかという発想を持ってほしいと思います。

枡野 俊明 「禅の庭」庭園デザイナー、僧侶

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ますの しゅんみょう / Shunmyo Masuno

1953年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大本山總持寺で修行。禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得る。芸術選奨文部大臣(当時)新人賞を庭園デザイナーとして初受賞。ドイツ連邦共和国功労勲章功労十字小綬章を受章。2006年、『ニューズウィーク』誌日本版にて「世界が尊敬する日本人100人」に選出。主な作品はカナダ大使館庭園、セルリアンタワー東急ホテル庭園「閑坐庭」、ベルリン日本庭園「融水苑」など多数。曹洞宗徳雄山建功寺住職、多摩美術大学環境デザイン学科教授。著書に『心配事の9割は起こらない』『仕事も人間関係もうまくいく放っておく力』(以上、三笠書房)など。

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武田 友紀 HSP専門カウンセラー、公認心理師

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たけだ ゆき / Yuki Takeda

自身もHSPである。九州大学工学部機械航空工学科卒。大手メーカーで研究開発に従事後、カウンセラーとして独立。HSPが感性を活かし、のびのびと生きることを大切にしたカウンセリングとHSP向け適職診断が評判を呼び、日本全国から相談者が訪れる。著書に60万部を突破したベストセラー『「繊細さん」の本』(飛鳥新社)、『「繊細さん」の幸せリスト』 (ダイヤモンド社)などの“繊細さんシリーズ”がある。ラジオやテレビに出演する他、講演会も開催し、HSPの認知度向上に努める。

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