老朽化が深刻?「ZOZOマリン」が抱える "課題" 改修か建て替えか、再整備推進の現在地
また、幕張新都心は、中核施設の幕張メッセの設置をはじめ、『職・住・学・遊』の複合機能を備えた未来型の国際業務都市を目指して計画された街です。
『職』は約600社の企業がある業務研究地区、『住』は幕張ベイタウンや幕張ベイパークの2つの住宅地区、『学』は大学や高校、研修施設などがある文教地区、『遊』は商業施設・ホテル等のタウンセンター地区や、県立幕張海浜公園内に設置された現スタジアムやJFA夢フィールドなど。そういった要素で構成される街において、スタジアムがどのような役割を果たすべきか考えていかなければいけません」(塚田氏)

千葉市 総合政策局 未来都市戦略部 マリンスタジアム再整備推進課 課長
以前所属していた都市局公園緑地部公園管理課(以下、公園管理課)では、千葉市蘇我スポーツ公園や同園内にあるフクダ電子アリーナ関連の業務に携わる(写真:大澤誠)
各候補地のメリット
仮に建て替えとなった場合の候補地となっているのが、現スタジアムの場所も含む『幕張海浜公園』と、2023年3月に開業した幕張豊砂駅(JR京葉線)から近い『幕張メッセ駐車場』である。
計画面積約72ヘクタールと広大な敷地の幕張海浜公園はA~Gブロックで構成され、現スタジアムは海沿いのFブロックに属している。Aブロックは海浜幕張駅(JR京葉線)の北側、Bブロックは駅の南側となり、それぞれ駅から近い。

「幕張海浜公園は広い敷地面積を有していますが、物理的に現スタジアムと同等規模の球場が設置できるブロックは限られています。規模的に建てられる空間があるのは、現スタジアムがあるFブロックや、芝生広場やマウンテンバイクのコースなどがあるGブロック(現スタジアムの北西側)。
Fブロックでも、現スタジアムのすぐ隣(南東側)に一定規模の空間はあります。メジャーリーグでは左右非対称の球場は珍しくないですし、いびつな形状であれば設置の検討も可能です。
幕張メッセ駐車場にも球場が入るだけのスペースは十分にあります。いずれにせよ、空間的に建てられる場所は限られますが、現時点では改修か建て替えかも決まっていません」(塚田氏)
幕張メッセ駐車場は、国内トップクラスの規模を誇るイオンモール幕張新都心が目の前にあり、幕張豊砂駅からも近い。周辺施設と一体となった経済効果や賑わいの創出という点でメリットがありそうだ。
甲子園球場と神宮球場はともに竣工から約100年。竣工から約30年で大規模な改修や建て替えを検討せざるをえない塩害を受けてしまうのであれば、少しでも内陸のほうが安心という考え方もある。
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