老朽化が深刻?「ZOZOマリン」が抱える "課題" 改修か建て替えか、再整備推進の現在地

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「1992年に現スタジアムが千葉ロッテマリーンズの本拠地となってから、これまで多くのファンが訪れ、幕張新都心にマリーンズの歴史と文化が築かれました。仮に建て替えるということになれば、幕張海浜公園内か幕張メッセ駐車場が候補地となります。

幕張海浜公園FブロックやGブロックであれば海辺の活用が考えられますし、幕張メッセ駐車場であれば、アクセス性の向上や周辺施設との連携などのメリットがあるでしょう」(塚田氏)

ZOZOマリンの周辺の様子
建て替えの場合、複数の候補エリアがある。周辺環境への影響なども踏まえながら、総合的に検討されている段階だと言う(写真:千葉市提供)

現スタジアムは最寄り駅から球場までの導線も課題。海浜幕張駅から徒歩15分の道程は立ち寄るお店が少なく、先に挙げられていた「賑わいの創出」という視点からは課題に該当する。

また、路線バスやシャトルバスが運行しているものの、試合後には一般車両との輻輳により交通渋滞が発生する。

千葉市総合政策局未来都市戦略部マリンスタジアム再整備推進課 主任技師である長谷川賢氏は、次のように語る。

千葉市長谷川 賢氏
千葉市 総合政策局 未来都市戦略部 マリンスタジアム再整備推進課 
主任技師

公園管理課所属時に、QVCマリンフィールド(現ZOZOマリンスタジアム)のスコアボードを交換する等、修繕業務に携わる(写真:大澤誠)

「球場周辺の賑わい創出も重要だと認識しています。千葉ロッテマリーンズの取り組みもあり、海浜幕張駅に降り立つと“マリーンズ感”は感じられますが、試合前のワクワク感や試合後の余韻を醸成するためのさらなる仕組みづくりや空間づくりが必要であると感じています」(長谷川氏)

直近の懸案は先にも述べたように、改修か建て替えかの方針決定、候補地の決定などを含む基本構想の策定。建築資材の価格高騰や労働力不足など社会経済情勢の変化の影響を考慮し、基本構想案の作成支援を委託している都内のコンサルティング会社との契約期間(2024年9月末まで)は、2025年3月まで延長されている。

「資金面やスケジュール面でもう少し丁寧に検討する必要があると考え、委託期間を延長しました。今後は基本構想案を作成し、千葉県や千葉ロッテマリーンズをはじめステークホルダーの方々にご説明をし、その後関係者との調整が済み次第、公表する予定です。

現在でも千葉県や千葉ロッテマリーンズとは随時協議させていただいていますし、2025年度できるだけ早く公表したいと考えています」(塚田氏)

完成・供用開始まで10年程度を見込む

市民や千葉ロッテマリーンズファンらにとって、改修か建て替えかの方向性と併せて気になるのが竣工時期だ。

「基本構想の策定後、施設の規模や機能などの施設計画・運営計画などを定める『基本計画』を策定し、その後は基本設計、実施設計、工事というのが竣工までの大まかな流れです。改修の場合と建て替えの場合で若干前後する可能性はありますが、どちらのケースでもおよそ10年程度で完成・供用開始ができるだろうと考えています」(塚田氏)

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