孤独の晩酌?「一人飲み」飲食店が続々登場の背景 時代はソロ飲みなのか…消費者に加え店側の事情も
あらかじめ他人と約束して日程を押さえるより、気が向いたときにSNSを開いて、いま暇そうにしている人、近くにいる人を誘う方が、効率がいいと考える人が増えても不思議ではない。特に、SNSを使いこなしタイパやコスパを重視する若い人にこの傾向はあるのではないか。
このSNSの発達により、もともと一人で過ごすのが好きだという人のみならず、人とのコミュニケーションが得意な人すらも一人飲みに流れるようになったのがポイントだ。実際には、行った先で結果的に複数人で飲むことになるが、あらかじめ約束して複数飲みするのとは出発点が異なる。
店側も一人客が入りやすい店をやりたい
店を運営する側の変化も一人飲みを促進している。大手チェーンは別として、小さな個人店では、一人飲み客が来やすい店を作りたいと考えるオーナーが増えている。
近年、物価高騰により出店にかかる費用は高騰し、個人が大きな店で独立するのは難しい世の中になっている。さらに2020年以降、飲食店はコロナ禍の苦境を経験したことで改めて飲食店経営のリスクを実感。不確実性が増す世の中で大きくリスクを取りたくないと考える若者も増えている。
ひと昔前は派手に独立して上場などを大きな目標に掲げるなど、リスクを大きく取るぶん、大きな夢を持つ豪快な飲食経営者も多かったが、最近は身の丈にあった独立、具体的には、自分一人の目の届く小さい店を開き、こぢんまりと店をやりたいという人が増えている。そうした店は、店の物理的規模が小さいので必然的に大人数の客よりも少人数客がターゲットとなり、一人飲み客も大いに歓迎される。
加えて、社会では婚姻率の低下なども追い風に、一人飲みに限らず様々な分野でのソロエコノミー市場が広がっていきそうだ。社会の在り方は酒場での行動様式にも影響を与えている。
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