孤独の晩酌?「一人飲み」飲食店が続々登場の背景 時代はソロ飲みなのか…消費者に加え店側の事情も

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こうした「一人客が来やすく、一人客同士が意気投合することで繁盛している」という事例は枚挙に暇がない。そのため料理を小皿ポーションで出したり、店内の様子がよく見えるガラス張りのオープンな造りにしたりと、一人客が入りやすくなる工夫を凝らしている店が増えている。

②一人で静かに飲みたい人もいる

しかし、誰もが知らない人と楽しく飲める、いわゆる「陽キャ」とは限らない。「陰キャ」とて一人飲みしたい、というか、陰キャだからこそ一人で飲みたいものだ……。

そんな人にはチェーン店での一人飲みが熱い。大人数でワイワイ飲むイメージのチェーン居酒屋でも、店によっては実は一人飲み客も多かったりする。例えば「鳥貴族」のカウンター席は、一人飲み客で埋まっているシーンをしばしば見る。

先日、筆者も「鳥貴族」に一人で入店してみたが、壁に向かうカウンター席は誰とも目が合わず、とても居心地のよいものだった。下北沢の店舗だったが、横の席にはオシャレに気を遣っていそうな、いわゆる「シモキタっぽい」若い男性や女性が一人で飲んでいた。

鳥貴族
全国で約660店舗を展開する焼鳥チェーン「鳥貴族」。一人飲み客からも支持を得ている(筆者撮影)

一緒に飲む友達がいないというより、今日はあえて一人で飲んでる、という感じ。確かに、そういう気分の日もあるだろう。

やきとり
筆者が「鳥貴族」で一人飲みした際の写真。一人ならば同席者の顔色をうかがうことなく、好きなメニューを注文できることも嬉しい(筆者撮影)

関東近郊でチェーン展開する、あるもつ焼き居酒屋の五反田の店舗では、フロアには複数名向けのテーブル席が多く並ぶ中、店内奥の隅っこに5席だけカウンター席があった。

取って付けたようなカウンター席で「誰が座るんだろう」と思っていたら、17時、18時を過ぎた頃から、仕事終わりと思しきサラリーマンであっという間に埋まってしまった。

彼らは慣れた感じでお気に入りのメニュー(?)を注文し、背中を丸めて黙々と晩酌を楽しんでいた。しかし、19時前を目途に潮が引いたように一斉に帰っていった。

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