孤独の晩酌?「一人飲み」飲食店が続々登場の背景 時代はソロ飲みなのか…消費者に加え店側の事情も
こうした「一人客が来やすく、一人客同士が意気投合することで繁盛している」という事例は枚挙に暇がない。そのため料理を小皿ポーションで出したり、店内の様子がよく見えるガラス張りのオープンな造りにしたりと、一人客が入りやすくなる工夫を凝らしている店が増えている。
②一人で静かに飲みたい人もいる
しかし、誰もが知らない人と楽しく飲める、いわゆる「陽キャ」とは限らない。「陰キャ」とて一人飲みしたい、というか、陰キャだからこそ一人で飲みたいものだ……。
そんな人にはチェーン店での一人飲みが熱い。大人数でワイワイ飲むイメージのチェーン居酒屋でも、店によっては実は一人飲み客も多かったりする。例えば「鳥貴族」のカウンター席は、一人飲み客で埋まっているシーンをしばしば見る。
先日、筆者も「鳥貴族」に一人で入店してみたが、壁に向かうカウンター席は誰とも目が合わず、とても居心地のよいものだった。下北沢の店舗だったが、横の席にはオシャレに気を遣っていそうな、いわゆる「シモキタっぽい」若い男性や女性が一人で飲んでいた。
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一緒に飲む友達がいないというより、今日はあえて一人で飲んでる、という感じ。確かに、そういう気分の日もあるだろう。
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関東近郊でチェーン展開する、あるもつ焼き居酒屋の五反田の店舗では、フロアには複数名向けのテーブル席が多く並ぶ中、店内奥の隅っこに5席だけカウンター席があった。
取って付けたようなカウンター席で「誰が座るんだろう」と思っていたら、17時、18時を過ぎた頃から、仕事終わりと思しきサラリーマンであっという間に埋まってしまった。
彼らは慣れた感じでお気に入りのメニュー(?)を注文し、背中を丸めて黙々と晩酌を楽しんでいた。しかし、19時前を目途に潮が引いたように一斉に帰っていった。
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