「たった2本の線」で思考がクリアになる方法 マトリクスの活用で仕事の効率が劇的に上がる

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この分析結果から、本来優先させる仕事は少なく、他人に任せるか、断ってしまった方がいい仕事に時間がとられすぎていることがわかります。これらを「断捨離」して、最優先のFの仕事や、現在手が付けられていない重要かつ緊急性の低いHやGの仕事をする方が良い結果につながるということが判断できるのです。

優先させるべき仕事(『マトリクス思考』より)
優先させるべき仕事(『マトリクス思考』より)

コミュニケーションを円滑にする

《相手とのコミュニケーションの観点》

相手とのコミュニケーションの観点では、以下の3つのことが期待できます。

④ メンバー内で前提を合わせることができる

⑤ 相手と意識(目標)合わせをすることができる

⑥ 相手に気付きを与え、意思決定に貢献することができる

④⑤については、たとえば、ミーティング内で自身の考えを言葉で伝えてもなかなか相手に理解してもらえない場面があったとします。そのような際にマトリクスで可視化して相手に伝えると、相手は理解しやすくなり、前提や意識合わせがスムーズにできます。

たとえば④の例として、優先して取り組む事業であるA事業からD事業の4つの候補があるとします。あなたはA事業を推していますが、同僚の片桐さんはA事業は最も優先順位が低く、D事業に最優先で取り組むべきと主張しています。あなたは、ぼんやりと頭の中で考えていた優先順位をマトリクスで示してみました。

取り組むべき事業の優先順位(『マトリクス思考』より)
取り組むべき事業の優先順位(『マトリクス思考』より)

このマトリクスを見て片桐さんがこう言ったとします。

「なるほど、あなたはこのように考えていたのですね。趣旨は理解しました。私はSDGsを重視していたので、そのインパクトが最も強そうなD事業を優先させるべきだと思っていたのです。E事業で培ったノウハウも活かせそうですし」

このように頭の中で考えていたことを可視化し、その前提などを共有できることは、多くの人が関与するビジネスにおいては非常に大きな効用と言えます。生産的な議論にもつながるでしょう。

⑥の効用はプロローグの馬場専務の鈴木課長へのアドバイスを思い出してください。相手にマトリクスの形で整理してもらうことで様々な気付きを与えることができますし、相手の良き意思決定に貢献することもできるのです。

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