そうすると、人からどう見られているのかが重要で、「みんなはどうしているのか」と常に他人の動向や思惑が気になり、それが自分の判断基準になる。つまり他人軸が強くなりやすいのです。
とくに今は、実際に周囲にいる人だけでなく、ネットを通じて膨大な情報に接するため、自分の中で基準がなかなか定めにくくなっています。
また、組織に属していると、会社員ならその会社への「帰属意識」というものがあり、そこで自分が必要とされているか、役に立てているかというところから、さらに進んで、「認められたい」「認められなければならない」という思いに到るのは自然なこと。そこからどうしても他者を意識する必要が生まれてきます。
さらに、同質性の高い日本ならではといえるのが、似たような環境にいるために、ちょっとした違いが気になってしまうことです。
例えば、学校でみんなが同じ色のペンを持っているのに、自分だけが色が違うペンを持っていたら、それが目立ってしまい、いじめの対象になったりします。
大人の世界でも、例えばママ友いじめというのは陰湿化しやすいといわれていますが、それは生活環境が非常に似ているからです。
同じ地域に住んでいる、同じ年頃の子どもがいる、同じ学校に通わせている……などの共通項が多く、その中で何かが少しだけ違うと、それが攻撃対象になるのです。それと似たことは、当然会社の中でも起こるわけです。
今、何をすべきなのかを理解させる
こうした息苦しさとも思える要素があって、とくに若いZ世代では経験も浅いわけですから、どうしてもまわりばかり見てしまい、みんなと同じことで安心したり、人と比べて一喜一憂したりしてしまうのです。
では、そこでどうするかですが、精神論を押しつけたり、自分のことだけに集中しなさいと言ったところで意味がありません。
そこで大切なのは、考えを変えるのではなく、自分軸に戻すための行動を起こすしかありません。
まず1番目は、「今、何をすべきなのかを理解させる」ことです。目の前にある一定の目標や役割など、会社から何を求められているかを共有し、
「今、ここであなたがやるべきことはこれだよね」
と方向性の確認をすること。会社が望むことは一方的であってもかまいません。
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