見下される「ウーバー配達員」やって僕が得たモノ 安定収入より「精神の安定」を選んだ意外な結果

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僕自身、ブルーカラー的な働き方が思いのほか、自分に合っていたことは、新しい発見だった。 

まるで全身を使ったゲーム(Wiiスポーツ的な)をしている感覚で、例えるなら「狩り」に出かけるイメージに近い。運動しているのか仕事をしているのか、境界線が曖昧なところも気に入っている。燦燦と輝く太陽の下、ママチャリのペダルを回す生活は、デスクワークの仕事よりも明らかに健康的かつ人間的だ。 

ウーバーを始めてから、筋肉質な肉体に進化した(筆者撮影/目線の加工は筆者によるもの、乳首部分の加工は編集部によるもの) 

季節の変化も味わえるようになった

春夏秋冬を肌で感じられる点も悪くない。会社員の頃は「もう春か」「今年もグラコロ食べられなかったな」といった展開が当たり前だったが、今では桜のつぼみが日に日に大きくなっていくのを、お爺ちゃんお婆ちゃんに負けないくらい毎日観察している。

グラコロやレッドホットチキンもしっかり食べた。バカみたいな話に聞こえるかもしれないが、存外、これはバカにできない話だと僕は思う。 身の周りにある幸せを、味わえているということだから。

芦屋市をウーバー中、筆者がいちばん好きな景色(筆者撮影) 

人生って長いようで意外と短い。結婚や子育てといったライフイベントや健康寿命など、僕たちには今しかできないこと、楽しめないことが確実に存在する。 

過去の僕もそうだったが、あまりに多くの社会人が「時間」をないがしろにして、人生を「お金」に全振りしすぎているのではないか。それは生き方として窮屈だし、勿体ないし、逆にリスクが高いのではないか。

次ページウーバーの仕事のおかげで、人間らしさを取り戻せた
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