肉体労働者への「偏見の目」当事者の意外な"本音"とは? ブルーカラーになってわかった「働き方」の本質

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作業中の男性の手
ホワイトカラーだろうがブルーカラーだろうが関係ない。そこで働く人には想いがあって、守るべき家族がいて、仕事に対する情熱がある(写真:Hakase/PIXTA)
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社会不適合ゆえ、2度にわたって勤めていた会社から解雇。社会からこぼれ落ちた僕を救ってくれたのは、世間から忌み嫌われるスポットワークの代名詞「ウーバーイーツ」だった……。
職業に上下ってあるの? 自分らしく生きるって何? 悩みながら、汗を流しながら、僕は今日もペダルを回す……現役ウーバー配達員ライター・佐藤大輝さんによる連載「ウーバーイーツの社会学」第4回です。

ここのところ、僕はウーバーイーツ配達員に対する“イメージ”に関する記事を書いている。

笑顔で写真に写るスーツ姿の著者
新卒1年目の著者。ウーバー配達を主な仕事とする、ブルーカラーな今と違ってホワイトカラーで、長髪で茶髪だった(著者撮影)

街でぶつかった(ぶつかられた)高校生から「お兄さん今ウーバー中? 大変だね。まあ、頑張れよ」と言われたり、ネット上で「清潔感がない」とよく言われていることについてだったり……。

ただ、僕はこれらの意見を、頭ごなしに否定するつもりはない。なぜなら、僕自身がかつて、肉体労働者の人たちを偏見の目で見ていたからだ。

ホワイトカラーの会社員として働いていた頃、僕はブルーカラーの仕事を正直「下」に見ていた。汚いし、ダサいし、カッコ悪いし……。華やかな美容業界で働く自分には、3Kの仕事(きつい、汚い、危険)なんて無縁の世界だと思っていた。

ホワイトカラーにはブラック要素がある?

僕が新卒入社した美容の専門商社は、顧客の90%以上が美容室(残りは理容室)だった。営業職だった僕はスーツを着て、社用車に乗り、たまに交通違反で捕まりながら、毎日15軒ほどの美容室を訪問する。

当時まだウーバーの仕事は存在しなかったが、例えば会社の倉庫で働いている人たちに対して、僕は感謝の気持ちはあれど、倉庫の仕事を続けている理由がわからなかった。そんな地味な仕事をするより、キラキラした仕事をしたほうが楽しいと思っていたのだ。

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