肉体労働者への「偏見の目」当事者の意外な"本音"とは? ブルーカラーになってわかった「働き方」の本質

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最初は面倒に感じていた現場作業も、「ちょっと面白いかも」と感じるようになった。例えば車両メンテナンスの作業。朝の5時に出社し、つなぎを着て、スパナを持ち、ドライバーと協力しながら車両を解体していく。

作業後は太陽を浴びながら缶コーヒーを飲んだり、青空の下でお弁当を食べたりしながら、一緒に達成感を分かち合う。この瞬間が、最高に気持ちいい。

運送業は誰もがイメージする通り、まるでジャイアンみたいな人が働いている割合が少なくない。口調も態度も荒っぽい人が多い。だけど根はまっすぐだったり、年下への面倒見がよかったりする(ドライバーにはよく、缶コーヒーを奢ってもらっていた)。

ホワイトカラーだろうがブルーカラーだろうが関係ない。そこで働く人には想いがあって、守るべき家族がいて、仕事に対する情熱がある。職業に貴賤はないことを僕は学んだ。さまざまな人の存在で、この社会は成り立っている。

街中のトラック
街中でトラックが走っている姿を見ると、いつも心の中で「頑張れ!」と応援してしまう(著者撮影)

根性論は肉体労働者には通用しない

29歳のとき、僕は運送会社を離職。ウーバー配達員になった。ウーバー配達員にホワイトカラーの要素はない。完全にブルーカラー1色の働き方だ。

「負け組ランドセル」と言われることもあるウーバー配達員。自分でも、こんなに長く続くとは思ってもみなかった(写真:著者撮影/加工も筆者)

ウーバーの仕事を始めて、僕は肉体労働者の身体的疲労、この解像度が上がった。

自転車配達員として長い時間働くと「足」を使い切ってしまい、途中から上り坂がきつくなってくる。働きすぎた翌日は身体が石になって、使い物にならない。膝関節や尻も痛くなる。

坂道の多い市街
僕が働いている神戸市・芦屋市は坂道が多い。願わくばアシスト付きの自転車が欲しい(著者撮影)
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