見下される「ウーバー配達員」やって僕が得たモノ 安定収入より「精神の安定」を選んだ意外な結果

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例えば会社員時代の僕は「時間がない」という大きな悩みがあった。

朝の7時に起きて、8時に出社し、17時が定時だけど帰れるはずもなく、19時~21時頃にようやく退勤。アルコール度数9%の缶酎ハイを飲みながら夜ご飯を食べ、シャワーを浴び、ちょっとだけYouTubeを見てから就寝する。そして翌朝、大嫌いな会社にゾンビのように出社していく。

土曜日は死んでいる間に終わり、日曜日はサザエさんを見て憂鬱な気分に襲われる(休日に仕事の電話が鳴れば、さらに気分はドン底だ)。 

1週間、1カ月がアッという間で、「人生は1回限りなのに本当にこれでいいのかな?」といった疑問が常にあった。命は有限で、若さだって有限だ。喉から手が出るほど「時間という資産」がほしかった。お金持ちではなく「時間持ち」に強い憧れがあった。 

だけどやり方がわからない。みんなと同じ道、レールから外れることにも恐怖心があった。今振り返ると、このこんがらがった感情が、会社と衝突した最大の原因だったように思う。 

昨年のクリスマス、7000回の配達を達成。お祝いメールがウーバーから送られてきた(筆者撮影) 

しかしウーバーの仕事は、好きな時間に働き、好きな時間に休むことができる。体調不良の日は無理して働かなくてもよい。サービス残業とも無縁だ。

心と身体(それから預金などの経済状況)と相談しながら、自分のペースで働くことができる。 

自由な働き方のおかげで、毎朝アラームをセットする必要性はなくなった。

寝不足からくるイライラ感はなくなり、肌ツヤはよくなり、風邪も引きにくくなった。

会社員時代は5~7時間睡眠だった僕だが、今だからわかる。当時は睡眠不足(ないし睡眠負債)の影響で、おそらく60~70%のパフォーマンスしか出せていない。今は心身ともに絶好調で毎日を過ごしている。 

仕事をしながら運動でき、四季彩りも味わえる

前回の記事にして、本連載の初回ー「ウーバー配達員になれて良かった」と僕が思う訳 「負け組ランドセル」と嘲笑う人に伝えたい"本音"ーでは、ウーバー配達員がネット上で「負け組ランドセル」と揶揄されていること、それでも僕がウーバー配達員を辞めたくないと思っている背景を書いた。

ウーバー配達員に対して、上から目線の態度の人がいるのは、肉体労働者に対する偏見も影響していると感じている。

だけど、そういう人こそちょっと待ってほしい。知らないだけで、実はオフィスワークよりも体を使って稼ぐほうが、性に合っている人も少なくないと思うからだ。

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