キャッシュレス決済「4割達成」の後に来る新世界 2025年の達成確実、次はいったいどこへ向かうのか

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ウイルスを媒介するかもしれない現金やり取りの忌避、人を介さないで決済できるセルフスキャンレジの導入、実店舗ではなくネット通販への購入シフトなど、決済様式が劇的に変わった。

その結果、入国制限が解除となった2022年には36%まで上昇、2025年を待たずにめでたく政府目標約40%を達成できたのは、コロナ禍の置き土産と言っていいだろう。

次のキャッシュレス目標値は80%

40%を超えた後はどうするのか。先の「キャッシュレスビジョン」(2018年)には次の目標として、“将来的には世界最高水準の80%を目指していく”とある。

そこには「海外の現状が40~60%(当時)であることを鑑みると、世界最高水準とするならば、70~80%のキャッシュレス決済比率を目指すとすべき」「東京オリンピック・パラリンピックはキャッシュレスに向けた強い追い風になると考えられ、そこまでに90%水準を目指す」「キャッシュゼロになることで初めて実感できるメリットもあると思われることから、最終的には100%を目指すべき」など、強気派の意見も掲載されている。

それにしてもなぜそこまで、政府はキャッシュレス化を進めたいのだろうか。

当時、ずいぶん筆者もこの件を取り上げた。日本円を持たない訪日客に利便性を図るという理由は先の通りだが、国内では主に販売店や交通機関など業者側へのメリットが語られたものだ。

オールキャッシュレスに移行すればレジ締めの作業が楽になり、売り上げ計算もスピーディだ。お釣りの準備も不要になる。人手不足の昨今では、レジを任せられる働き手の確保が大変であり、その解消にもつながる。店頭で現金を扱わなくなれば犯罪にあうリスクも減る。さらに、データが残るキャッシュレスに移行すれば「売り上げのごまかし」を駆逐できるといった国の目論見もあるはずだ。

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