ゴディバ「任天堂コラボ商品」で見せたプライド 高級チョコレートと人気ゲームの「意外な接点」

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橋田氏はもともと広告業界出身ながら、現在は商品の企画開発に携わっているという。企画においては、最初にコンセプトを立案し、工場のあるベルギーの開発チームと意見交換を重ねながら構成を決めていく。

ゴディバ ジャパン 橋田美緒
ゴディバ ジャパン マーケティング チョコレートカテゴリー部 エキスパートの橋田美緒氏。バレンタイン向けだけでなく、ゴディバのギフト商品を中心に企画開発を行う(編集部撮影)

なお、ゴディバのグローバルの本社は現在、アメリカ・ニューヨークに置かれているが、工場は世界各地にある。ベルギーの工場ではトリュフチョコに詰めるプラリネ(ナッツから作られるペースト状のフィリング)を製造。すべてをオートメーション化せず、チョコのデコレーションなどをはじめ、職人による手作業も続けられている。

一方、今回の「どうぶつの森」「ピクミン」はモチーフの形状やキャラクターのプリントに微妙なニュアンスが求められるため、国内の提携工場の協力も得ているそうだ。

ピクミンのチョコは、円形のフィリング入りのチョコレートで、ピクミンのイラストが描かれているほか、赤、青、黄のピクミンそれぞれをイメージした味のフィリング入り。チョコレートに描かれたイラストなのに、ピクミンの細い手足まできれいに再現されているのには驚く。

ゴディバ meets ピクミン
チョコレートに描かれたイラストとは思えない精度の高さ(撮影:今井康一)

ゲームの設定を細部まで取り込む

ゲーム内でキャラクターにそれぞれ性格づけがされている「どうぶつの森」はさらに凝っている。例えば「ブーケ」という猫のチョコには、名前に合わせてローズ風味のフィリングが使われている。ハート型のチョコレートは、ゲーム内でもバレンタイン時期にのみゲットできるレアアイテムをかたどっている。

「今回新たにラインナップに加わったピクミンは、現在プレイしているユーザーにアピールできるのはもちろん、2001年の発売当時遊んでいた人にも懐かしさを感じてもらえる。バレンタインという、大人も子供も楽しめるイベントとの相性がよいと考えた」(橋田氏)

そういう橋田氏も、ピクミンやどうぶつの森の世界観やキャラクターには個人的に魅力を感じているそう。このことはゲームの設定を細部まで取り込んでいる様子にも表れている。ゲームの世界観に思い入れのあるファンを満足させなければならないのだから、当然のことではあるが。

ゴディバ meets どうぶつの森
「どうぶつの森」に登場するキャラクターだけでなく、ゲーム世界を構築する葉、花なども再現。ハートチョコはゲーム内でもバレンタイン時期だけに出てくるレアアイテム(撮影:今井康一)
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