「LINEにすぐ返信しない」Z世代と付き合うコツ 面接で「尊敬する人は親」と答える若者の心理

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ただし、安定を望む気持ちには、「失敗したくない」「損をしたくない」という気持ちが垣間見えます。

組織やグループの中で空気を読み合い、「悪目立ちしたくない」という思いから、基本的に人を出し抜いたり、スタンドプレーをすることもありません。

昨今、組織やグループで情報共有をする際に、メンバー間の一斉メールでなく、LINEなどの通信アプリでトーク画面を共有する場合がありますが、友達同士のグループであっても、誰かの意見に最初のコメントをアップすることを嫌がります。

それというのも、現代はSNSなどのコメントなど、ちょっとしたことで批判されたり、“炎上”することがあります。何気なく送ったコメントに人がどういう反応するのがわからない段階で、安易に口火を切ることを恐れ、別の誰かが回答したものを参考にして、無難に自分のコメントを書くことを選びます。配慮に配慮を重ね、波風を起こさず通り過ぎたいという思いが透けて見えます。

それは従来の日本的な前例主義とは少し異なり、何かのきっかけで批判を集めたり、いじめの対象になってしまうことがある昨今では、とにかく失敗したくないという保身からのものでしょう。

彼らの現状を見て行くと、今はとても生きづらい世の中にも思えます。職場で上司世代が「若者らしい自由な意見や提案を言ってほしい」といくら思っても、なかなか意見が出てこなかったり、会話が成り立たなかったりするのも、彼らが何も考えていないわけではなく、Z世代なりの処世術ともいえます。

親は敵なのか、味方なのか

「親ガチャ」という言葉をご存じでしょうか。

「ガチャ」とは、小型の自動販売機(カプセルトイ)でハンドルをガチャガチャと回す音から来ていて、中から何が出てくるか、自分では選べないのが特徴です。

そこから、自分では選べないにもかかわらず、それによって今後が左右されてしまう、つまりはずれくじを引いたような状況に陥ることを指し、親から不利益を被ることを「親ガチャ」などといいます。

若い彼らは安定を望む性質もあり、親の影響を強く受けます。そのため親の考えに偏りがあったりすると、彼らもそれに引っ張られてしまいます。

かつては仕事を選ぶ際に、家業として親の職業を継ぐことも多いことでした。以前は反発して、親の跡なんて継ぎたくないというケースも多くありましたが、安定志向ゆえか、親の職業に親和性のあるものを選ぶことが多くあるようです。

実際、家業を継ぐことは、目の前にロールモデルがいるわけですし、自然と選択肢に入ってくるものですし、あえて親元を飛び出して自由に生きるより、エネルギーが少なくて済み、彼らにとって効率的に映るのかもしれません。

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