就職先選びとなったときも、親の影響は強く表れます。
核家族化や少子化の影響もあるのか、内定辞退の理由に、「親からダメだと言われた」という場合も多いようです。
そのため、会社説明会に親同伴をよしとする企業があったり、会社の知名度が低いと「聞いたことないからダメ」だと親から言われてしまうことがあるために、企業側もただ名前を連呼するCM戦略をとるケースも増えています。
企業側は人手不足の昨今、よい人材に入社してもらいたい。少子化が進み、こまやかに手や目をかけられて育ったZ世代は親との距離が近く、中には目立った反抗期がなかったという場合もあるほどです。
そうした背景からか、面接などで「尊敬する人は誰か」と問われたときに「親」だと答える若者が増えているようです。
ただし、本心からそう思っている場合と、就活にも傾向と対策が重視される昨今、キャリアコンサルタントなどから「尊敬する人を問われたら、親だと答えると身の丈にあった感覚を持ち、身近な人をリスペクトできるとみなされて印象がいい」とアドバイスされている場合があります。
上司世代からは、「親を尊敬していると聞くと、視野が狭いというか、物足りない思いがします。小さくまとまってほしくない」という意見もあります。
また、親は親で、「こういうふうに頑張ってほしい」「ここを目指してほしい」という展望や思いがあり、それを我が子に託すわけですが、当の本人がどこまで自分の考えをもっていて、それを貫こうと思っているのか、そこには具体的なビジョンがあるのか、それは本人次第。まわりはそれを引き出すのが精一杯だと言うほかはありません。
彼らと真にわかりあうために
そんな彼らに対して、どう対応したらいいのでしょうか。
いくら社会人になりたてのZ世代といっても、相手を変えることはできません。具体的なビジョンについて、言葉を尽くして話し合うことしかありません。
彼らはこの不安定な時代の中で、なるべくしてそのパーソナリティを育んできたわけです。押さえておきたいのは、彼らは決して自分勝手に生きることを望んでいるわけではないのです。
不安定な時代を生きてきた彼らは、社会情勢の変化の影響を受け、不穏な時代の落とし子として身を守るすべを身につけて成長してきたわけですから、闇雲に彼らを敵視したり、言い聞かせようとするのではなく、双方が歩み寄って理解することが必要です。あきらめずに実践し続けてほしいと思います。
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