人事領域の調査を手掛けるHR総研の8月の調査によると、10月1日に内定式を開催できない企業が続出することがわかった。企業が10月1日に内定式を行うのは毎年の恒例行事だが、今年は多くの企業で採用が進んでいないため日程を延期しなくてはならない。
昨年12月の調査では、内定式の予定を「10月1日」としていた大手企業は70%だったが、8月の調査では55%に減少。2016年の1月以降と回答する企業もあった。「未定」または「しない」と回答した大企業は2割近い(注:HR総研の調査では、従業員数1001名以上を大手企業、301~1000名を中堅企業、300名以下を中小企業と定義)。
早慶クラスでは7割の学生が2社以上の内定
今年は大手ほど採用に意欲的で、前年よりも採用数を減らす企業が10%だったのに対して「増やす」が42%、「前年並み」が゙39%だった。
売り手市場となったことから、複数の内定を取得する学生が多い。早慶クラスの大学では7割の学生が2社以上の内定を得ている。複数内定者が多ければ、その分、辞退者が増えるのは当然。8月末時点で「内定者の約半数に辞退されてしまった。予想以上に歩留まりが悪い」(証券会社)といった声は多かった。
大手企業の24%では内定辞退率が40%を超えている。こうした状況から大手企業の30%は内定充足率が5割以下にとどまっているし、大手企業の4%は内定者が1人もいない。
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