10月1日に内定式をできない企業が続出する 秋採用における人事部の苦戦必至

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このままでは採用担当者の責任問題にもなりかねず、約半数の企業が「これから新たにエントリーを受け付ける」としている。一方、学生の就活は終了に近づいている。早慶クラスの学生の80%、そのほかの上位校の学生の70%以上は終了したと回答。中堅よりも下位クラスの私立大学生も56%が終了した。

今後、企業側の採用活動が難航するのは必至。とてもではないが、例年のように10月1日に内定式という状況ではない。

学生だけでなく採用担当者の疲労も大きい

今年4月にリクルートワークスが発表した「大卒求人倍率」が1.73倍とリーマンショック後で最も高い水準になったことから、企業が採用に苦労することは予想されていた。しかし、HR総研の寺澤康介所長は「求人倍率データより実感として求人競争は激化している」と言う。

スケジュール変更で、就活期間が長くなって学生の負担が増加したというニュースが多いが、採用担当者の疲労も大きい。大手企業の8割が「昨年に比べて採用が大変になった」と回答しているが、この数字が今年の状況をよく表している。

学生は何を基準に就職先を決めているのだろうか。今年は中堅中小企業が大手よりも先に採用活動をスタートさせたため、例年よりは中堅中小に目を向ける学生が多かった。しかし、本音は大手志向であるしこの傾向は強まっている。文系学生の65%が「絶対、またはできれば大手企業に行きたい」と回答(前年は59%)。理系学生は70%(同68%)となっている。また、企業規模以外で重視する点として安定性や福利厚生を挙げる学生が多かった。

そのほか、目立つポイントは「社会貢献」。企業選択に於いて、文系学生の37%、理系学生の48%が「事業自体が社会貢献しているかが重要」と答えている。寺澤所長によれば「就活では社会貢献がキーワード。学生が社会貢献を意識するのは世界的な傾向だ」。

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