医師に聞く「肝臓から脂肪を減らす」朝食の選び方 コンビニで売っている商品でも対策できる

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筋肉など身体を作る栄養素であるたんぱく質の摂取も重要で、動物性由来ではなく植物性由来のもの、豆腐や納豆、ブロッコリーなどを取るのがおすすめです。

脂肪肝を予防・改善するための食事はこうした原理原則に沿ったものとなります。参考になるのは、下図のようなメニューです。

出所:Harvard T.H. Chan School of Public Health

肝臓から脂肪を減らす食事のカギの1つは「朝食」です。例えば満腹感を得やすいたんぱく質は朝食時に十分取ることで、昼食や夕食で過食を防ぎ、1日のトータル摂取カロリーを抑えることができます。極端になりますが、納豆を2パック、卵を2つ食べるなど、たんぱく質を多めに取るような朝食であってもかまいません。

原理原則を知っていれば、コンビニで買う商品でも脂肪肝対策ができます。ゆで卵や豆腐バーでたんぱく質をまかない、これにおにぎり1個を加えると十分です。今はたんぱく質の量に着目した食品もたくさんありますが、動物由来なのか植物由来なのかわからないものもあります。なるべくなら植物由来の商品を選んでください。

食べ過ぎには要注意

注意点としては、食べ過ぎないこと。診療ガイドラインによると、脂肪肝の方が体重を5%減らすと肝疾患により低下しがちな生活の質(QOL)の改善が期待できるといわれています。さらに体重を7%以上減少させると、MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)の進行も軽減され、10%以上で肝臓の線維化の改善も期待されます。

体重は摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると増え、中性脂肪も蓄えられます。目安である「標準体重(身長(m)×身長(m)×22)×25kcal」を参考に、摂取エネルギーを見直しましょう。

なお、たんぱく質の摂取量は、体重1kg当たり1〜1.2gが目安です。50kgら50〜60gとなります。これより過度に増えると腎機能障害につながるおそれがあります。

脂肪肝の予防・改善には食事の見直しが効果的で、なかでも朝食が担う役割は大きいといえます。ただし、自己判断で進めるのではなく、医師や管理栄養士の指導を仰ぐことも大切です。定期的に診断を受け、自身の状況を把握することも忘れないでください。

(構成:大正谷成晴)

天野 方一 イーヘルスクリニック新宿院 院長

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あまの ほういち / Hoichi Amano

帝京大学大学院公衆衛生学研究科非常勤講師、久留米大学医学部公衆衛生学講座助教なども務める。埼玉医科大学卒業後、都内の大学附属病院で研修を修了。東京慈恵会医科大学附属病院、足利赤十字病院、神奈川県立汐見台病院などに勤務。2016年より帝京大学大学院公衆衛生学研究科に入学し、2018年9月よりハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)に留学。予防医療に特化したメディカルクリニックで勤務後、2022年4月東京都新宿区に「イーヘルスクリニック新宿院 (eHealth clinic 新宿院)」を開院。複数企業の嘱託産業医としても勤務中。日本腎臓学会専門医・指導医、抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医、公衆衛生学修士、博士(公衆衛生学)の資格を有する。

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