医師に聞く「肝臓から脂肪を減らす」朝食の選び方 コンビニで売っている商品でも対策できる

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「経過観察だから問題ない」と捉える方もいますが、脂肪肝であるだけで動脈硬化が進み心筋梗塞や脳梗塞のリスクは高まりますから、エイジングケアや予防医療の観点からもそのままにしてよいことは1つもありません。

脂肪肝を予防・改善するには運動や食事などの生活習慣を見直すことが必要です。メタボリックシンドロームと診断された、あるいは体重やウエスト周囲径が増えたなら体内の脂肪を燃焼させるためウォーキングやジョギング、水泳といった有酸素運動を定期的に行いましょう。筋肉トレーニングなどで筋肉量が増加すると基礎代謝も高まり、さらに効果的です。

食事に関しては、糖質と脂質を控えるのが原理原則です。糖質は肝臓で中性脂肪に変えられるため、ごはんやパン、麺類などの量を控えるだけでも脂肪肝の改善が期待できます。また、ジュースやアイスクリーム、お菓子などに含まれるショ糖は、米などに含まれる糖質よりも中性脂肪が肝臓にたまりやすく、取り過ぎに注意しないといけません。

脂質も同様で、取り過ぎると中性脂肪が増えて脂肪肝につながります。紅花油やコーン油などリノール酸を多く含む油、トランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングを使ったお菓子や菓子パンはこれに該当します。

ただし、食事から取る必要がある必須脂肪酸が欠乏するので、極端な制限はおすすめできません。

不飽和脂肪酸を摂取する

ポイントは、コレステロール値の上昇につながり循環器疾患の発症リスクが高まるとされる飽和脂肪酸はなるべく避け、摂取すると脂肪肝を改善させるデータのある不飽和脂肪酸を摂取することです。具体的には以下のような食材となります。

●飽和脂肪酸が多い食材
肉の脂身、ラード、バター、生クリーム、乳脂肪、加工食品など
●不飽和脂肪酸が多い食材
サラダ油、魚油などの液体の油、魚など

脂肪はアルコールからも作られるので、飲酒も控えましょう。1日のアルコール量の目安はビールなら中瓶1本(約500ml)、日本酒は1合(約180ml)、チューハイはレギュラー缶1本(350ml)とされています。日本酒換算で1日5合を1週間飲み続けるとアルコール性脂肪肝になる可能性があり、そうなると血液検査の数値が正常化するまで禁酒が原則です。

反対に摂取の優先順位を上げてほしいのは、食物繊維を多く含む野菜や海藻類、キノコ類です。食物繊維が多い食べ物は満腹感を得やすく、カロリーの過剰摂取を予防します。

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