ところが進路を設定したのが高校3年生とかなり遅い時期だったこともあり、家原さんは焦って対策を始めます。
「受験を頑張り切れなかった」と当時を振り返る家原さんですが、授業時間に加えて放課後に平均2~3時間、休日に5~6時間の勉強を続けた結果、センター試験では68%を確保。河合塾のセンターリサーチでB判定が出た静岡大学の教育学部に前期試験・後期試験と出願し、前期で無事に合格して進学することが決まりました。
「大学もリサーチしてないし、受験に対する覚悟があったわけではありません。ダメだったらもう1年やろう!くらいの考えでした。美術はまったくやらない3年間でしたし、美大に行く選択もまったく頭になかったです」
現役で合格したものの、再び受験の日々…
現役で国立大学に進学し、受験を終えた家原さん。しかし、思わぬ浪人生活がここから始まることになるとは、まだ彼も予想すらしていませんでした。
静岡大学の教育学部に進学した家原さんは、入学して間もなく、再受験をするかどうかを迷い始めます。その理由は、「大学生活が楽しくなかった」ことにありました。
「私が入ったのは、教育学部の教育実践学専修という分野で、ほとんどの人は小学校の教員になる学部でした。そこで私は、子どもの特性についての授業などを受けたのですが、授業内容に興味を持てず、興味を持って学んでいる周囲の学生との温度差を感じてしまったのです。
思えば、教育学部に入れればいいと思って、大学での勉強内容について大したリサーチをしないまま選択してしまったので、当然のミスマッチでした。進路選択が浅はかだったんです」
「このままだと自分の人生は楽しくならない」と危機感が生まれた家原さんは、ここで初めて、自分の好きなことや興味のあることを学べる大学を選ばないといけないと、痛切に感じたそうです。
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