約10年で半減「ローソンストア100」衰退の必然 まいばす戦で消耗、減少も「悪い変化」ではない
さらに「まいばすけっと」は、ほぼ食品スーパーに特化しているのも興味深い。
店舗をのぞいてみると、扱われている商品の多くは食品で、雑貨・日用品の取り扱いは少ない。また、生鮮食品にしても同じ野菜を何種類も置くことをしない。
これによって、小さい店舗ながらも、ある程度の広さの通路が確保でき、店内に入ったときの視界が良好だ。
「ローソンストア100」は店としての焦点がボヤけた?
実はこの点、ローソンストア100は「コンビニ・スーパー・100円ショップの特徴をすべて持たせた」という最大の特徴が裏目に出てしまっていると思う。さまざまな商品がありすぎて店舗通路が狭く、結果的に薄暗い印象がまぬがれない。
これは、消費者心理に与える影響としては何気に大きなポイントだ。ドン・キホーテの総合スーパー業態である「MEGAドン・キホーテ」は、通常の店舗とは異なって、通路が広いことが特長となっている。
もともと、老舗総合スーパーである「長崎屋」を業態転換した店舗が多かったことが経緯で、「面積を生かしたディスカウント業態なら、新規客を取り込めるかもしれない」との考えもあったという。
雑貨店なら、雑然としていても魅力になるが、食料品を扱うスーパーだと、なかなかそうはいかない。明るく整然とした店内と、暗くゴチャついた店内では、前者に軍配が上がるのは当然だろう。
このように、ローソンストア100は、「まいばすけっと」という強敵を前にして撤退を余儀なくされてしまった。実際、まいばすけっとが500店舗を達成した2014年の翌年、ローソンストア100は約2割にあたる260店舗の閉鎖を決定している。
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