まるで外国の学校?「ロッテの工場見学」の裏側 ロッテ「おかしの学校」で見る製造の工夫

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六角形がトレードマークのパイの実だが、この形には秘密がある。生地を型抜きする際、円形では無駄な部分が生じてしまうが、六角形であれば辺同士が重なり合うため、無駄なく生地を使用することができる。

また、サクサクとした独特の食感は、64層にも折り重ねられた生地から生まれている。

層が少ないと、隙間ができすぎてサクサクとした食感が生まれにくい。逆に層が多すぎると、生地を焼いたあとにチョコを注入する際、うまく入らなくなってしまう。試行錯誤を重ねた結果、たどり着いたのが64層だった。

パイの実 おかしの学校
パイの実(写真:編集部撮影)

「折り重ねた生地の状態や焼成後の六角形の形に応じて、生地仕込みでの水の量調整や、生地の延ばし具合を日々調整しています」(工場担当者)

生産性向上と味の向上には終わりがない。

焼成工程では、以前はオーブンのバーナーを1本ずつ手動で点火し、焼き具合を見ながら火力調整を行っていた。

「過去携わっていた者に聞くと、この作業には約20分かかり、点火に手間取ることも多かったそうです。現在は、スイッチやタッチパネル操作で、数秒で全バーナーを点火できるようになり、温度調整も自動化されました。その結果、準備時間が大幅に短縮されましたし、オーブンが自動調整している間にほかの準備作業を進められるなど、生産効率も大きく向上しました」(工場担当者)

板の厚みをアップさせたガーナ

もう1つのガーナコースでは、チョコレートの充填から箱詰めまでを見学することができる。

ガーナチョコレート ロッテ おかしの学校
ガーナチョコレートを型に充填(写真:ロッテ提供)
ガーナチョコレート ロッテ おかしの学校
充填後のガーナチョコレート(写真:ロッテ提供)
ガーナチョコレート ロッテ おかしの学校
箱詰めされるガーナチョコレート(写真:ロッテ提供)

一度に22枚分、機械が自動で液体のチョコレートを型に入れ、振動により板状に延ばし、余分な空気を取り除く。見学通路の壁に触れると、その振動を感じることができる。

ちなみにガーナは、2024年秋にチョコレートの厚みをアップさせた。3Dプリンターを活用して、チョコレートを流し込むための金型を作成。その結果、従来品比で厚みが10%増となった。厚みがあるチョコレートのほうが、口にした時に満足感や幸福感が高い、というリサーチ結果から厚みをアップさせたのだという。

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