つまりPBR改善の打ち手を考える要素は、「①純利益」「②売上」「③総資産」「④純資産」の4つであることがわかります。
これらの数値の改善には、デジタル投資の出番もありそうです。
4つの数値をそれぞれ改善するには?
まず「①純利益」についてはコスト削減が打ち手となりますが、「不採算事業や商品・サービスからの撤退」が優先度の高い打ち手になってきます。
もちろん、「デジタルを活用した業務効率化によるコスト削減」も打ち手の候補になってきますが、以前の記事『100億かけても「DXの効果が全然出ない」3つの訳』でも述べたように「みかけの」コスト削減では意味がありません。ボトムラインに確実に効くものであることが必要です。
次に「②売上」の増加の打ち手は、大きく既存事業と新規事業に分けて考えることになりますが、「既存事業の売上増」を狙う場合には、新市場への進出や新規顧客の開拓、価格の(上方への)見直しといった打ち手が考えられます。
新規事業でもさまざまな打ち手(投資候補)がありますが、ここでは「M&A」などが有力な候補となります。
「③総資産」については、簡単にいえば「無駄な資産を持たない」ことになりますので、不動産オフバラ、持ち合い株の売却などが主な打ち手となります。
また、運転資本の圧縮という観点では、在庫最適化やキャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮なども打ち手として考えられます。
最後に「④純資産」については、先に述べたように、「負債の活用」と「株主還元の強化」が打ち手の候補となってきます。
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