分数の割り算はなぜひっくり返して掛けるのか? 子どもに聞かれてわかりやすく説明する方法

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そしてAが分数x/yの場合、Aの逆数はy/xです。分数をひっくり返したものですね。こちらも、x/yにy/xを掛けたらxとyが両方とも約分で消えて、1しか残らないからです。

逆数を掛けると分子だけがすっきり残る

『東大の先生!文系の私に超わかりやすく算数を教えてください!』P.207より

西成先生:では、改めて分母の2/5をよく見ます。この連分数を一番すっきりさせる方法は、分母を1にすること。分母を1にすれば分子しか残りませんからね。では2/5を1にするにはどうすればいいのか。

郷さん:あ、ここで逆数を掛けるのか!

西成先生:そう。2/5の逆数は5/2です。しかし、分母だけ掛け算すると意味が変わるので、分子にも同じように5/2を掛け算します。すると分母は1になり、「1/2×5/2」という分子だけが残ります。

『東大の先生!文系の私に超わかりやすく算数を教えてください!』P.208より
東大の先生!文系の私に超わかりやすく算数を教えてください!
『東大の先生!文系の私に超わかりやすく算数を教えてください!』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

郷さん:だから逆数を掛けるんですね! ちょっと感動。

西成先生:ほかにもいろんな説明のしかたがありますけど、たぶんこれが一番納得感があると思うんです。

郷さん:「分母をすっきりさせるために逆数を掛けた」で説明できますからね。これを娘に説明する日が待ち遠しい(笑)。

西成先生:「逆数」とか「分数の性質」とか、教科書では断片的に知識を学んでいくことになるので、「これってなんの役に立つの?」と思う場面が多いと思います。でも、そういう知識って、ロールプレイングゲームでいうアイテムや武器みたいなもので、分数の割り算のようなラスボスと戦うときに使うことになるんです。

西成 活裕 東京大学先端科学技術研究センター教授

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にしなり かつひろ / Katsuhiro Nishinari

専門は数理物理学、渋滞学。1967年、東京都生まれ。東京大学工学部卒業、同大大学院工学研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了。その後、ドイツのケルン大学理論物理学研究所などを経て現在に至る。予備校講師のアルバイトをしていた経験から「わかりやすく教えること」を得意とし、中高生から主婦まで幅広い層に数学や物理を教えており、小学生に微積分の概念を理解してもらったこともある。著書『渋滞学』(新潮社)で、講談社科学出版賞などを受賞。ほかに『とんでもなく役に立つ数学』『とんでもなくおもしろい仕事に役立つ数学』(KADOKAWA)、『東大人気教授が教える 思考体力を鍛える』(あさ出版)など、著書多数。

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