この問題は、佐々木朗希だけの問題にとどまらない。広島の森下暢仁、ヤクルト高橋奎二 、中日の高橋宏斗、オリックス宮城大弥、山下舜平大、西武の高橋光成、今井達也、平良海馬、日本ハムの伊藤大海など、NPBの20代のエース級の投手が軒並みポスティングシステムでの「MLB挑戦」を表明している。
近年、千賀滉大(ソフトバンク→メッツ)、山本由伸(オリックス→ドジャース)、今永昇太(DeNA→カブス)などMLBに移籍した投手(千賀はFA移籍)が軒並み活躍した。彼らはNPBでは絶対に手にすることができない巨額の報酬を得ることができたのだから、これに続くエース級が「我も我も」となるのはある程度仕方がない。
NPBの「空洞化」につながりかねない
しかし佐々木朗希の移籍が前例となって、ポスティング年限以前での移籍など、強引な移籍が続けば、NPBの「空洞化」につながりかねないし、日米プロ野球間の信頼関係も損なわれる恐れがある。
多くの有望投手はすでにエージェントとつながっていると言われる。また、山本や佐々木のように選手会を脱退する選手も出てくる可能性がある。
今回の一件は、NPB球団のエージェントに対する「拒絶反応」をさらに強めた印象があるが、多くの選手が何らかのエージェントと公然、非公然でつながっている現在、NPB、球団は、エージェントの存在を認め、その包括的な役割を容認するとともに、球団、選手双方にとってメリットがあるような「協定」を結ぶべきではないか。
この際には、プロ野球選手会が加わることが望ましいと思うが、抜け駆け、裏交渉の余地をなくすような明文化したルールを設ける必要があると思う。
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