強引なメジャー移籍でプロ野球「空洞化」の危機 球団とエージェントの関係の見直しが必要

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実は、こうした有名なエージェント以外に、スポーツ選手専門のエージェントと契約している選手もたくさんいる。

彼らは地域のイベントへの出演や、競技を超えたアスリート同士の交流など、人脈を広げるうえでもエージェントを活用するケースが増えている。
また、エージェントの中には選手をスポーツメーカーのアドバイザリースタッフに紹介したり、先進のトレーニングジムを紹介したり、海外のウィンターリーグに選手を派遣する仲介をしたりするなど、競技の中身にも関与するようになってきた。

さらに選手のセカンドキャリアに向けてのアドバイスや、資産管理のアドバイスをするエージェントも出てきている。そして、中にはさらに一歩踏み込んで、選手の年俸交渉や待遇面の交渉、MLB移籍などに関与するエージェントもある。

選手とエージェントの関係は、個々にバラバラで濃淡があるが、今や多くの選手がエージェントと何らかの関係を持つようになっている。

しかし、こうした状況をプロ野球球団は「必ずしも好ましい状況ではない」と見ている。

プロ野球選手は「個人事業主」ではあるが…

プロ野球選手と球団は「雇用契約」ではなく「業務委託契約」を結んでいる。選手は「社員」ではなく「個人事業主」だ。間にエージェントが入るのは、何の問題もないはずだが、球団の多くは抵抗感を抱いているはずだ。

埼玉西武ライオンズファーム施設に付随するトレーニング施設の外観(写真:筆者撮影)

選手は「個人事業主」かもしれないが、球団は「選手寮」を設けて、若手選手を集団生活させている。寮には「寮長」がいて、選手の生活全般を管理している。トレーニング施設が併設され、選手は、いつでも練習ができる。また栄養バランスの取れた食事も提供するし、何不自由のない生活を送ることができる。

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