貧困国で頻発「少年の年齢詐称」億をせしめる手際 14歳の少年が19歳と判明…大胆な嘘をつく背景

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ドミニカ共和国 野球
多くのアカデミーが躍起になって選手育成に励むのは、ドミニカ共和国では手に入れられないほどの契約金がメジャーリーグの球団から支払われるからだ(写真:カメラ大好き/PIXTA)
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ドーピングと聞くと、どのようなイメージを持つだろうか。いわゆる海外の超一流で著名なトッププレイヤーが薬物を使用しており、断罪されるイメージなのではないのだろうか。

しかし、とある途上国では10代前半の少年たちを寮に住まわせて微量のドーピング薬を摂取させている。さらにドーピングだけにとどまらず、同時並行で年齢詐称が行われることもあるのだ。

その国とはドミニカ共和国だ。私はドミニカ共和国に滞在していた。2日に1度の停電や、物乞いの少年たちが多く存在する豊かではない国では、野球は希望の光だった。

メジャーリーガーを数多く輩出している背景

ここで、ドミニカの野球界について、ざっくりと説明したい。

高校や大学、社会人などプロを目指す場所の選択肢がいろいろある日本と違って、ドミニカでは「アカデミー」が野球教育の中心だ。その名の通り、野球選手を育成するための場所だ。

①メジャーの下部組織としてのアカデミー

アカデミーの種類は大きく分けて2つある。1つ目は「メジャーの下部組織」だ。2つ目は「メジャーの下部組織との契約を目指すアカデミー」だ。

一般に日本の野球ファンが想像するアカデミーは、1つ目のメジャーリーグの下部組織としてのアカデミーだろう。MLBの各球団が投資をして、ドミニカ国内に作った野球学校だ。

やや語弊があるかもしれないが、日本人にわかりやすく表現すると「外資系のエリート養成校」という感じだろうか。

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