「育成のライオンズ」を目指す
愛知県立蒲郡高校時代に無名投手だった千賀滉大は今季、メジャーリーグ最高峰の資金力を持つニューヨーク・メッツに移籍し、チーム最多の12勝、リーグ2位の防御率2.98を記録するなど1年目からエース級の活躍を見せた。
2011年育成4位で福岡ソフトバンクホークスと契約した際の年俸は270万円。育成ドラフト出身で初のメジャーリーガーとなった今季、年俸1400万ドル(約19億6000万円)を稼ぐまでに成り上がった。
選手にとって夢のある話の一方、日本の各球団は千賀のようなダイヤの原石を見つけ、磨き上げようとさまざまな手を打っている。
数年前からファーム(二軍以下)と言われる若手育成の場に力をいっそう入れ、「常勝軍団」をつくり上げようとしているのが、パ・リーグ最多の優勝23回を誇る埼玉西武ライオンズだ。
「球界で『育成のライオンズ』となるべく、ナンバーワンの育成環境をつくり上げようとしているところです」
2022年からファーム・育成グループディレクターに就任した秋元宏作氏はそう話した。
西武や横浜(現DeNA)でプレーし、引退後は両球団の一軍や二軍でバッテリーコーチを務めた同氏は現在、西武で育成を統括する役割を任されている。
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