あなたの中に眠る「使える短所」と「使えない長所」 「長所がない」と嘆く前にやるべきことがある
自分の長所らしいところを見つけたなら、それに磨きをかけることにだけ、意識を向けましょう。「自分は短所ばかり」とか「長所といっても他の誰かと比べたら劣っている」といった邪念に振り回されて努力をサボっていては、長所が光らないのは当然のことです。
また、短所を改善しようとする努力もおすすめできるものではありません。
石ころをいくら磨いても宝石にならないのと同じで、短所を改善するにも限度があります。10の努力をして7、8を身につけるのが、せいぜいではないでしょうか。
そうであるならば、長所は伸ばし、短所はあきらめる。これが肝心です。
プラモデル好きが歯医者になった理由
「磨くべき長所がないから困っているのに」と反論したい人もいるかもしれません。しかし、明珠在掌の考え方に拠るならば、「長所がない」のではなく「長所をまだ見つけていない」だけだと、考えるべきでしょう。
では、どうするか。例えば、長所を「自分が好きなもの、夢中になれるもの」と読み替えてみませんか。
長所というと、「他の人より優れていないといけない」「仕事に役立ちそう、お金になりそうでないといけない」と思い込んでいる人がいるようです。
つまり「人より優れていないなら、お金にならないなら、磨く価値がない」というわけですが、それは拙速な決めつけだと思います。夢中になること、すなわち「今、この瞬間」を全力で生きることの積み重ねが人の幸せをつくるのですから。
何より、夢中は努力に勝ります。「努力しよう、頑張ろう」と必死になるより、楽しみながら続けたほうが、得てして、よい結果が出るものです。
こうしたお話をしていると思い出すのは、手先が器用でプラモデルづくりが得意だった友人のことです。彼は某大手信託銀行の就職が決まっていたのですが、それを蹴って歯学部に入り直し、今は歯医者になっています。
「俺が一番得意なことは、人が真似できないような細かい作業をすること。プラモデルづくりのように仕事ができないかと思ったんだよ」。作業が細かければ細かいほど「燃えてくる」と彼は話してくれました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら