和田秀樹「感情的な人の怒りスイッチは大迷惑」 自分への悪意と受け止めて感情的になってしまう

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「これしかない」ではなく、「いろいろあるんだろうな」と考える。
「こうなるはずだ」ではなく、「いろいろな可能性があるな」と考える。
「わたしをバカにしている!」ではなく、「バカにしているんだろうか、それとも単なる批判なのだろうか?」と考える。

万事、そんな調子です。答えを決めつけないで、とりあえず「曖昧」なままにしておくということです。感情的になりやすい人は、この「曖昧さ」が苦手です。その場で白か黒か、 敵か味方か、右か左かといった決着をつけないと気が済みません。

だから、自分の意見が少しでも批判されると、「じゃあ、わたしが間違っているのか?」と問い詰めます。すると相手はこう答えます。

「だれもそんなことはいってないよ。ちょっと疑問に思ったから質問してみただけじゃないか」

こういうケースがとても多いのです。ものごとの受け止め方が「是か非か」の両極端に偏ってしまい、中間の曖昧ゾーンを受け入れない傾向があります。

考え方や受け止め方を変える

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これではどういう相手と向き合っても、ちょっとしたことばや態度にカチンと来たり、思い通りにいかなくてイライラすることになります。イヤな感情を放っておくのではなく、こだわって自分からふくらませるのですから、日常生活の中で感情的になる場面がどんどん増えてきます。

つまり感情的になりやすい人は、日ごろの考え方や受け止め方の中に、イヤな感情につかまりやすい原因が隠されている可能性があります。

だとすれば、だれのせいでもありません。周囲の人間のせいではないし、まして本人のせいでもありません。単なる考え方や受け止め方の問題ですから、それを変えれば済むことです。

変えられることから変えていくというのは、感情コントロールの大切な技術です。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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