「第九といえば年末」ではない?欧州の意外な反応 ヨーロッパ人が一番に思い浮かべるものとは?

✎ 1〜 ✎ 31 ✎ 32 ✎ 33 ✎ 34
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
リヒャルト記念碑
ウィーン郊外クロスターノイブルクの「ヨーロッパ広場」にあるリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー記念碑(写真:筆者撮影)

欧州統一のさらなる発展を願い、リヒャルトは、「『全人類が兄弟となる』という「歓喜の歌」のメッセージこそが、欧州の賛歌にふさわしい」と提案を行い、欧州諸国に受け入れられた。

現在では、ドイツ語歌詞のないオーケストラによる演奏が、正式な「欧州の賛歌」として広く知られているが、歌詞がなくとも、「全人類の友情と平和」のメッセージは、欧州共通の理念として欧州の平和を支えている。

ヨーロッパの平和と統一の根幹に

ベートーヴェンとシラーが第九の「歓喜の歌」に込めた理想の世界像は、日本で生まれたリヒャルトの欧州の平和と統一への願いと交じり合い、現在のヨーロッパの平和と統一の根幹として受け継がれているのだ。

日本で年末に「第九」を聞くとき、日本で生まれ、遠く離れた欧州で歴史に名を残したクーデンホーフ=カレルギーの、平和に対する願いにも、想いを馳せみてはいかがだろうか。

欧州議会本会議場
ブリュッセルにある欧州議会本会議場(写真:筆者撮影)
御影 実 オーストリア・ウィーン在住ライター・ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

みかげ みのる / Minoru Mikage

2004年よりオーストリア・ウィーン在住。国際機関勤務を経て、2011年よりオーストリアの社会、歴史、文化、時事情報に関する寄稿や監修を手掛け、ラジオ出演や取材協力も行う。掲載媒体は、「サライ.jp」(小学館)、『るるぶ』(JTBパブリッシング)、『ハプスブルク事典』(丸善出版)等。輸出輸入業経営。世界 100 カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事