職場の人間関係を教えてくれる“案内所”を確保する

 

さて宴会だけでなく【役割分担するとき】【意見調整するとき】など職場事情は押さえておきたいもの。職場とは時として「何を言ったか」より「誰が言ったか」が重視されます。それくらいに微妙なバランスがあるのです。そんな微妙なバランスを保つための情報に精通した案内所のような同僚は、金のわらじを履いてでも探したい存在。

私もそんな同僚に仕事で助けられたことが何回もあります。たとえば、経営会議にある起案をしたとき。それなりの投資が必要な案件なので反対と賛成が二分する可能性がありました。最悪、否決。あるいは何回もの起案し直しを覚悟していました。そんな起案の資料を作成していたときに先輩社員Bさんから声がかかりました。Bさんは経営会議の事務局に長くかかわって内部事情に精通していたので

「資料の説明が終わったらSさんに意見を求めなさい。役員会で影響力が最も高いから、Sさんが首を縦に振れば終了も同然」

とアドバイスをくれました。経営会議は1人の役員のささいな質問から紛糾して否決になってしまった案件がいくつもありました。それくらい役員間のパワーバランスは大切なのです。

さて、私は先輩のアドバイスに従ったところ、経営会議では反対意見は出ずスムーズに決済を取ることができました。数回を経ないと通らない可能性が高かった、議論の分かれる起案だったので驚く結果でした。

ここまで、知らない職場の役員・先輩・同僚と接するための情報提供・対処法のアドバイスをくれる案内所のような存在を活用すべし。と書いてきましたが、あなたの職場にいますか? そんな存在。

「うちの職場にはいない」と思うかもしれませんが、安心してください。人は人のうわさ話が好きなもの。職場に社員が5人もいれば、誰かが社内の人間関係を把握しています。その人が案内所のような役割を担ってくれるはず。

ただ、どうしても見当たららないときは「社内事情に詳しい人って誰だっけ?」と同僚に聞いてみましょう。間違いなく「だったら○○さんだね」と適任者が見つかるはず。あなたが気づかなかっただけで案内所の看板はどこかに出ています。

 

※写真はイメージです。本文とは関係ありません

 

 

高城 幸司(たかぎ・こうじ)
1964年10月21日、東京都生まれ。86年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。96年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(小社刊)など。

 

 

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