斎藤知事、逃げ切れても「残される"2つの疑念"」 「公職選挙法違反」疑惑は、ほぼ"ノーダメージ"?
筆者が勤務していた広告会社は、上場以降は厳しくなったが、非上場会社だった時代は、予算が足りないときに、「来期にまとまった仕事をお願いするから……」「(これまでいろいろ仕事発注してきたから)今回はこの金額でお願いできない?」といったやり取りをすることもあった。さすがに無償というのはなかったが――。
期待は「絵に描いた餅」で終わってしまう
メルチュ社長の折田氏は、過去に委員報酬で兵庫県から15万円の報酬を受け取っていたと報道されている。ただ、これだけだったとすると、選挙運動の支援の見返りとしては十分とは言いがたい。
もちろん、兵庫県から直接支払われていなくとも、孫請け等の形で間接的に業務を受注している可能性はあるが。
また、メルチュ社には、斎藤氏が知事に返り咲いた暁には、兵庫県関連のPR業務を受注できるのでは――という期待があったのかもしれないし、あくまでも邪推だが、もしかすると、そういう口約束が交わされていたかもしれない。
同社は、過去に自治体(ただし兵庫県ではない)のSNSの運用等の業務で、1000万を超える受注をしていたとの報道がある。今後、この規模での受注が見込めるのであれば、無償で斎藤知事の選挙運動を支援したとしても不思議はない。
ただし、もしも今後そのような受発注があれば、激しい批判を浴びることになる。結局、上記のような期待は「絵に描いた餅」で終わってしまうのだろう。
話は少し変わるが、折田氏が公開した情報では、公示前の10月1日から「支援活動」が開始されているようだ。この時点では、斎藤氏に逆風が吹いている状況で、再選の見込みは薄かった。
それを考えると、「今後の見返りを期待して無償で支援活動を行った」という説明も、少々苦しいだろう。
本件に関して、斎藤知事は逃げ切れるように思えるのだが、それでも疑念は残され続けてしまうというのが実態だ。
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