斎藤知事、逃げ切れても「残される"2つの疑念"」 「公職選挙法違反」疑惑は、ほぼ"ノーダメージ"?

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とはいえ、筆者は「斎藤知事は潔白だ」と主張しているのではなく、「現状の説明で辻褄は合っている」と言っているに過ぎない。

潔白だとするには、いくつか疑念が残されているのもまた事実だ。

・無償でやったのであれば、折田氏(あるいはメルチュ)の支援活動は法に触れないのか?
・折田氏(あるいはメルチュ)が無償で斎藤氏を支援する意義はあるのか?

上記を論じる前に、いくつかのパターンを想定する必要がある。

1点目に関しては、専門的な知見やノウハウを持つ企業が無償で候補者にそれを提供した場合、政治賃金規制法違反にあたる可能性があるという専門家の指摘がある。

折田氏だけでなく、メルチュの社員も稼働していたとすると、彼ら全員があくまでも「私的な活動」として「無償で行った」ということで、選挙に関する活動で役員報酬や給与所得も得ていないということが、必要条件となりそうだ。

折田氏が「斎藤氏を支援した動機」

2点目については、曖昧なままに幕引きとなる可能性はあると思うが、折田氏、あるいはメルチュが選挙で斎藤氏を支援する動機として、いくつか想定できる。

・(個人として)斎藤知事を支持していたから、無償で応援をした
・今回の選挙では(公表されている案件以外の)報酬は得ていないが、別のところで見返りがある
・今回の選挙で、表に出ていない対価、あるいは見返りがある

人々がそれを信じるかはさておき、①であれば、問題はないだろう。③であれば問題であり、発覚すれば、失職につながる可能性もあるだろう。

筆者としては、②の可能性は高いように思う。過去に便宜を図ってもらった恩義や、今後の利益への期待から、安値で仕事を受けることは、さほど珍しいことではない。

次ページ支援の見返りとしては十分とは言いがたい
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