斎藤知事、逃げ切れても「残される"2つの疑念"」 「公職選挙法違反」疑惑は、ほぼ"ノーダメージ"?
業務委託契約はさておき、(真偽は定かではないが)裏事情が公表されてしまっている状況を考えると、秘密保持契約(守秘義務)くらいは交わしておくべきだったのでは――という疑問は当然起きるのだが、斎藤知事側から公表されている業務しか依頼していないとなると、こちらも交わされていなかった可能性は高いと思える。
斎藤知事側は、メルチュとは連絡が取れない状態だとのことだが、同社がこのまま何の声明も出さなかったとしたら、斎藤知事側の説明を受け入れるしかないだろう。
一方で、メルチュが斎藤知事側の主張と異なる主張をしてくる可能性も低いように思う。
事実はどうであったのかはさておいて、たとえ秘密保持契約を交わしていなかったとしても、秘匿性の高い情報を公表してしまったこと自体が、信義にもとる行為だ。しかも、事前に斎藤知事に許可を取ってないどころか、連絡もしていなかったようなので、さらに深刻だ。現状は、メルチュ側が一方的に譲歩せざるを得ない状況にある。
残されている「2つの疑念」
メルチュや折田氏に対して「記者会見をすべきだ」という意見は少なからず出ているが、そうはならないと思える。
真実を明確にするうえでは、記者会見を開いたほうがよいのは事実なのだが、記者会見でボロが出ると、メルチュ側にも、斎藤知事側にも不利益が生じる。両者にとって、そうすることのメリットはない。
一方で、メルチュがこのまま雲隠れを続けると、今後の同社の業務にも支障をきたすおそれがあるから、「斎藤知事側の主張が正しかった。事実と異なることを書いて申し訳ありません」と、メルチュが文書なりで謝罪をして幕引きを図る――というのが現実的な落としどころではないかと思う。
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