斎藤知事「パワハラ問題」謎に包まれたままのこと 斎藤知事「告発→失職→復活」までの経緯(上)

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(写真:アフロ)
11月17日に投開票された兵庫県知事選は、斎藤元彦前知事が111万3911票を獲得して当選し、97万6637票を獲得した稲村和美前尼崎市長らを大きく引き離した。当初は稲村氏が圧倒的に優位とされ、ほとんどがその勝利を確信していた。
圧倒的に劣勢だった斎藤知事が、最終的に熱狂的な支持を受けて当選するほど世論をひっくり返せたのはなぜなのか。

パワハラとおねだり疑惑を告発し、降格

まずは今回、兵庫県知事選が行われることになった経緯を振り返っていこう。

問題は西播磨県民局長(当時)が今年3月12日付で、パワハラやおねだり疑惑の7つの項目について告発文書を配布したことに始まった。3月20日に告発文書を県議から受け取った斎藤氏は、すぐさま21日に側近の片山安孝副知事(当時)らを呼びつけ、「誰がどういう目的で出したか徹底的に調べてくれ」と指示している。

片山氏らは25日に元局長のパソコンを押収し、私物であるUSBまで取り上げた。斎藤知事は27日の会見で、「告発文書は嘘八百」で、元局長は「公務員失格」と厳しく批判。そして元局長は県から正式な処分が出ないまま降格され、3月末に予定していた定年退職も取り消された(停職3カ月の正式処分は5月7日に決定)。

一方で元局長は4月4日、県の公益通報窓口に訴えた。兵庫県議会は6月13日、地方自治法第100条に基づいて「文書問題調査特別委員会(百条委員会)」の設置を決定。14日には初会合が開かれた。

ここに至るまで、百条委員会開催に反対する斎藤知事側と、兵庫県議会との激しい攻防戦があった。片山前副知事は自民党県議と接触し、百条委員会を開催しないように懇願。県議会の中でも意見が分かれ、維新と公明党は百条委員会設置に反対した。「百条委員会よりまず、専門家による第三者委員会を開くべし」というのがその理由だった。

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