斎藤知事「パワハラ問題」謎に包まれたままのこと 斎藤知事「告発→失職→復活」までの経緯(上)
パワハラとおねだり疑惑を告発し、降格
まずは今回、兵庫県知事選が行われることになった経緯を振り返っていこう。
問題は西播磨県民局長(当時)が今年3月12日付で、パワハラやおねだり疑惑の7つの項目について告発文書を配布したことに始まった。3月20日に告発文書を県議から受け取った斎藤氏は、すぐさま21日に側近の片山安孝副知事(当時)らを呼びつけ、「誰がどういう目的で出したか徹底的に調べてくれ」と指示している。
片山氏らは25日に元局長のパソコンを押収し、私物であるUSBまで取り上げた。斎藤知事は27日の会見で、「告発文書は嘘八百」で、元局長は「公務員失格」と厳しく批判。そして元局長は県から正式な処分が出ないまま降格され、3月末に予定していた定年退職も取り消された(停職3カ月の正式処分は5月7日に決定)。
一方で元局長は4月4日、県の公益通報窓口に訴えた。兵庫県議会は6月13日、地方自治法第100条に基づいて「文書問題調査特別委員会(百条委員会)」の設置を決定。14日には初会合が開かれた。
ここに至るまで、百条委員会開催に反対する斎藤知事側と、兵庫県議会との激しい攻防戦があった。片山前副知事は自民党県議と接触し、百条委員会を開催しないように懇願。県議会の中でも意見が分かれ、維新と公明党は百条委員会設置に反対した。「百条委員会よりまず、専門家による第三者委員会を開くべし」というのがその理由だった。
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