「兵庫県知事」嫌悪表情に表れた自己正当化の心理 反省の言葉を述べながらも追及には納得していない
8月30日、兵庫県の斎藤元彦知事が、県議会の百条委員会に出席して、職員へのパワーハラスメント疑惑について意見を述べました。
「記憶にない」「気分を害したならお詫びしたい」「反省している」
こうした発言を淡々と述べていたかのように見えた知事ですが、「微表情(※)」を分析すると、さまざまな感情の起伏が生じ、言葉と気持ちが一致していない様子がわかります。
(※抑制された「真の感情」がフラッシュのように一瞬で顔に表れて消え去る表情のこと。その多くは0.2秒以内の出来事で、通常の会話では80~90%が見落とされてしまう)
知事の見解の核は、明示的な発言からは、パワハラは認めない、職員からのパワハラ疑惑の声が上げられていることでも、記憶にないことがある。そして、「気分を害したならお詫びしたい」。こうした気持ちにとどまることがわかります。
微表情を含む非言語情報からは、自身の合理性には正当性があり、反省の意を心から表明することはできない。こうした心理が推測されます。知事の微表情と発言内容の重なりやズレに注目し、その心理を推測したいと思います。
自身の合理性が理解されないことに対する感情
委員会冒頭、自動車進入禁止の場所を約20メートル歩かされ、出迎えた職員を怒鳴った疑惑について。
知事は「歩かされたことではなく、動線が確保されていなかったことに怒った」「自身の指導には合理性があった」との見解を述べ、唇を強く結ぶ感情抑制・怒りの表情を見せます。自身の考える合理性にかなわない対応やそれが理解されないことにいら立ちを感じたのではないかと推測されます。
同様の表情を、知事は委員会中の随所で多数見せます。例えば、前県民局長の処分の是非、さまざまな取り組みに対する説明不足など、質問者との間で見解の違いがみられる場面です。よく言えば、自分の考えに自信がある、悪く言えば、自分の合理性に合わない見解は排除したい、そんな心理が推測されます。
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