生成AI導入の成功に不可欠な「3つの地味な仕事」 失敗する企業の担当者が忘れがちな「人の機微」

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企業が生成AI導入を成功につなげるには、一見すると生成AIとは無関係な「地味な作業」にも着目する必要があります(画像:Graphs/PIXTA)
企業が生成AI導入を進めるためには、技術開発、予算、スケジュールなどさまざまな要因を考慮する必要があります。しかし導入を成功につなげるには、そうした目立つところだけではなく、一見すると生成AIとは無関係な「地味な作業」に着目する必要があります。『会社で使えるChatGPT』(東洋経済新報社)を刊行した著者が、数々の生成AI導入を支援してきた経験から、導入を成功させるために必須の地味な作業について解説する。

社内政治は大事

生成AIの導入開始が社内で発表されると、良くも悪くも反響があります。そこで重要になるのが、社内における意見をまとめながら利害調整を行う社内政治です。

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生成AIに対する反応はさまざまで「ぜひ使いたい」という賛成派から、「どうせ役に立たない」などの反対派に加えて、そもそも興味がない無関心派も多数います。こうした社内の空気感を把握して事前に対処しないと、失敗する要因となります。

社内の意見を汲み取りつつ、賛成、反対、無関心の派閥における利害調整を進める立ち回りは、生成AIを導入する上で組織の大小にかかわらず重要な業務です。

それぞれの派閥ごとに、どう対処すべきかを考えてみましょう。

・賛成派への対策

賛成派は一見すると好意的でありがたい存在ですが、生成AIを含めた最新のITツールに対して「なんでもできる魔法の杖」のような過大評価を抱きがちです。

過去のDX(デジタルトランスフォーメーション)、第3次AIブーム、データサイエンティスト、ビッグデータといった一過性の流行に影響された人が該当します。これらを導入して期待外れに終わっても、しばらくすると忘れるので同じ失敗を繰り返します。

また、良くも悪くも関心が高いので多くの要望を出すため、意見をまとめるのに苦慮する場面があります。

次ページあとで障壁となりかねない無関心派
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