生成AI導入の成功に不可欠な「3つの地味な仕事」 失敗する企業の担当者が忘れがちな「人の機微」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

また、成果をアピールする手段として、社外向け広報活動があります。「生成AI を導入したIT 活用に積極的な企業」というイメージと話題性を利用して、露出を増やしましょう。

社外への露出を増やす理由は、社内での影響力を高めるためです。しかし声を上げるだけでは無視されるなど、効果が期待できないこともあります。

そこでメディア掲載という形で、社外から注目される方法を利用しましょう。外部から注目されたという実績があれば、社内での評価や印象が変わりますし、話題性もあります。結果として、社内における成果のアピールにつながります。そこでメディア掲載に向けて、具体的かつわかりやすい成果を準備しておきましょう。

他のアピール方法としては、プロジェクトの担当者が導入活用に至るまでの顛末をイベントやセミナーで発表したり、記事や書籍の執筆につなげる方法があります。SNS や動画投稿サイトなどで、手軽に情報発信ができるので、活用してみましょう。企業によるSNS や動画は堅い内容が多いので閲覧数は伸びにくいですが、無理に話題性を狙って数字を伸ばそうとしても空回りするだけです。一般人の話題になるより、業界内の知名度向上を目指しましょう。

こうした対外露出によるイメージ向上は、問い合わせの増加や人材採用などの効果があります。業務改善や費用対効果といった直接的な結果だけでなく、こうした成果にも目を向けてみましょう。

会社として成果を出す

生成AIにおいては、SNS上のインフルエンサーによる最新情報を交えて個人の生産性向上といった話題性のある要素が注目されがちです。一方で企業で働く従業員が生成AIを使うためには、さまざまな準備が必要になるのが現実です。

さらに個人で1人だけが業務効率化を実現したところで成果は限定的ですが、組織全体で取り組めば大きな成果につながります。生成AI導入において、目につきやすい技術開発や予算やスケジュールや最新情報ばかりではなく、導入後に社内で活用が進む環境づくりを行うための地味な作業も必要です。

こうした地道な作業を軽視しては、かつての第3次AIブームのような「導入したが誰も使わずに成果が出てこない」という残念な結果に陥るでしょう。現在進行系の生成AIブームで同じ失敗を繰り返さないために、会社という組織全体で成果を出すことを意識してください。

マスクド・アナライズ AIコンサルタント

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

AIコンサルタント。
AIスタートアップ社員として、AIやデータサイエンスについてSNSによる情報発信で注目を集める。退職後は独立し、企業におけるChatGPT及び生成AIの導入活用やDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援している。企業研修において、JR西日本、Siemens Healthineers(シーメンスヘルスケア)、日立製作所などの実績がある。イベント登壇はソフトバンク、特許庁、マクニカ、HEROZを含めて多数。記事連載はITmedia NEWS、ASCII STARTUP、Business Insider Japan、エンジニアtypeがある。解説動画として地方創生カレッジ(内閣府)、NewsPicks Learningに出演。東京大学と武蔵野大学にて、特別講義を実施している。著書に『データ分析の大学』(エムディーエヌコーポレーション)、共著書に『これからのデータサイエンスビジネス』(同)、『AI・データ分析プロジェクトのすべて』(技術評論社)、がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事