路上ライブは「グレーな文化」として容認すべきか 「迷惑行為」「アーティストとしての表現」境界線

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これらのことから言えるのは、路上ライブは今、「グレーゾーン」がなくなり、完全に「白」か「黒」かの状態へ移行している、ということではないだろうか。

現在も「グレーな状況」で路上ライブが行われている場所として川崎駅前が挙げられる。

ここは完全な「グレーな状態」にある。というのも川崎市の条例等で禁止はうたわれていないし、市も禁止を呼びかけてはいない。

市のホームページでも路上ライブやパフォーマンスへの「遠慮いただきたい行為」として、迷惑行為への配慮の呼びかけにとどまっている。

演奏と通報のいたちごっこ

だがやはり日々、警察への通報があり、そのたびにアーティストが注意を受け演奏が止まり、撤収するといったことが繰り返されている。

こういった状態があまりにも長く続くようであれば、全国的な流れから見ても「公認とするか」「禁止とするか」といった判断が、遅かれ早かれ自治体に迫られることだろう。

公認の場所が増えるにつれ、無許可での路上ライブへの規制は今後、ますます強まっていくと言える。悪質な路上ライブに対してだけでなく、全体的に取り締まりは厳しくなることが予想される。

また、こういった摘発があると世間からの路上ライブを行うアーティストへの風当たりも強まるだろう。

だからこそ、路上ライブを行うアーティストはもちろん、見る側もきちんと考え、地域行政とのあり方も含めて改めて路上ライブに関して議論すべき時ではないだろうか。

*この記事の前半:【遂にアイドル摘発】「路上ライブ」取り締まるべきか

川崎駅前 路上ライブ
毎日多くの路上ライブが行われ、ある種の風物詩となっている川崎駅前(写真:松原大輔)
松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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