ベストセラー絵本と「フェス」にある意外な共通点 絵本「100かいだてのいえ」面白さの本質を探る
縦型の絵本
世界中の才能あるデザイナーがパリに集まってくればいい。
──ピエール・カルダン(ファッションデザイナー)
いわいとしお『100かいだてのいえ』偕成社
『100かいだてのいえ』という絵本を手にとってまず驚くのは、それが縦型であることです。縦型──それはスマートフォンが普及した現在では当たり前となりましたが、かつては珍しいものでした。なぜならテレビも、写真も、そして絵本もほとんどが横型であるからです。しかし、『100かいだてのいえ』は縦型だったのです。
縦に開く『100かいだてのいえ』は、その特徴を活かした内容になっています。縦長の場所が舞台なのです。
主人公のトチくんのもとにある手紙が届きます。それは100階建ての最上階に住む誰かから、「遊びにきてね」と招待される手紙でした。トチくんは天まで届きそうな100階建ての家をのぼっていきます。
その家は10階ごとに違う生物が暮らしていました。トチくんは家をのぼっていくことで、いろんな生物と出会います。いったい最上階にはなにが住んでいるのでしょうか──?


















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