340億円かけた基幹系システムの投資
最近、大規模システム投資のトラブルを目にすることが増えています。
各種調査を見ても(民間だけに限っても)、IT市場はこの5年で3兆円ほど拡大し、15兆円の規模になっていますので、「目につきやすい巨額」のトラブルが増えているのも当然かもしれません。
2024年4月から4カ月ほど、江崎グリコの主要製品群が出荷できなくなりました。これは、340億円かけて新しい基幹系システムへの切り替えたところ、実在庫とシステム上の在庫の数字が合わず、出荷が止まったことが直接の原因と言われています。
このシステム障害は、同社の1~6月期の売上を150億円、営業利益を36億円押し下げました。この損害額もかなり巨額ですが、江崎グリコが基幹系システム(財務・会計、販売、購買などの業務に利用されるシステム)の再構築に投じた「340億円」という額の大きさに驚いた読者も多いと思います。
システム構築における性能不良、進捗の遅れ、予算超過などのトラブルは、珍しいものではありませんが、訴訟に至ってしまうこともあります。


















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