「100億以上かけてIT投資→システム障害」深い訳 「そんなにお金を使って、なぜ?」専門家が解説

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この7月、日本通運がシステムの開発失敗を巡り、開発元のアクセンチュアを訴えましたが、賠償請求額は約124億9100万円という巨額なものでした。ちなみに2018年11月に三菱食品がインテックを訴えた際は127億円でした。

賠償請求額が100億円を超えるものは5~6年に一度という感じですが、賠償請求額が数十億円という規模の訴訟は実は時々起きています。

これらを見て「システムの投資額の大きさ」に改めて驚いた方も多いかもしれません。

「(そんな巨額投資をしたのに)いったいなにをやっていたのだか……」と思われる方もいるかもしれませんし、「システム投資はリスクが高いんだな」と思われる方もいるでしょう。

これらの件について大手紙の記事でしばしば目にするのが「2025年の崖」という言葉です。

最近よく見かける「2025年の崖」ってなにか?

「2025年の崖」は、2018年の9月に経済産業省が出した「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」で用いられたキーワードで、レポートの指摘を象徴するものとしても流通しています。

DXレポートの主張をまとめると、次のものになります。

✔ DXとは、新しい製品やサービス、ビジネスモデルを通して、競争上の優位性を確立すること

✔老朽化・複雑化・属人化している、いわゆるレガシーシステムがDXの足かせとなっている

✔レガシーシステムを放置したままだと、2025年以降毎年12兆円の経済的損失が発生する

DXレポートは、「レガシーシステム化している基幹系システムに原因があり、基幹系システムの再構築こそが、DXの最重要テーマ」といった流行を引き起こしました。

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