「340億円あれば、他にもっと(企業の成長に資する)効果的な投資ができたのでは?」という問いはすぐに浮かぶと思います。
たとえば、事業ポートフォリオの改造のためのM&A、新規事業の大規模キャンペーンの実施、ROEやPBR改善のための自己株買いや配当増、早期退職者用の退職積立金の加算、といった具合です。
「違和感」を「建設的な批判」に仕立てるスキル
そうはいっても、社内の情報システム部門やCIOから「DXとしての基幹系システムの再構築は必要です、他に手はありません」と言われると、「デジタルはよくわからないから」と違和感を放置してしまう方は(経営層も含め)少なくないでしょう。
こんなときに大事なことは、さまざまな投資候補(そのひとつがDXでの基幹系システムの再構築です)を同じ俎上にのせて、成長への貢献の視点から(投資候補の)優先度を精査・検討するという、極めてシンプル・基本的なアプローチをとることです。必要なことに投資をし、無駄な投資は避けるということになります。
このアプローチをとることは、(デジタル投資による)リスクをいたずらに恐れて、成長に必要な(デジタル)投資を逸してしまうという愚を、犯さずに済むことにもなるのです。
デジタルの知識(あるに越したことはありませんが)よりは、ビジネスの経験・知見と、違和感を建設的な批判に仕立てるスキルが、はるかに求められるのです。
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