しかしタウリン1000ミリグラムというけれど、グラムに直せばなんのことはない、「1グラム」にすぎません。そのぐらいならイカ、タコ、ホタテの刺身を食べれば、簡単に取れてしまいます。ここでも、わざわざ栄養ドリンクを買って飲むほどのことなのかなと、疑問が浮かびます。
そのほかの栄養素、たとえばビタミンB群は、疲れに即効性がありますから、食事の栄養バランスが乱れている人は摂る意味はあります。また、ビタミンや鉄などのミネラル分も、体の機能を「底上げ」する大切な役割を果たしてくれます。
しかし、こうした「体にいい」栄養素を摂っているつもりが、「体に悪い」ものも一緒に摂取してしまっていることにお気づきでしょうか。
それは「添加物」です。栄養ドリンクには、保存料、合成着色料、合成甘味料、香料などの添加物がかなり使われています。
これはもうドリンク剤の宿命のようなもので、腐りやすいから保存料が必要だし、味がまずければ飲めないから甘味料を使わなければならないし、おいしそうな香りもつけなければいけないから香料も使わざるをえないのです。
「栄養成分」と「添加物」。これらを一緒にせっせと摂取するのでは、体にいいのか悪いのか、さっぱりわからなくなってきます。
栄養ドリンクより、はるかに効果のあることとは?
このような血糖や添加物の問題とは別に、栄養ドリンクを飲むことに対して、私がもっと危惧していることがあります。
それは「疲れの先送り」です。
疲れたときや睡眠不足のときに、こうしたドリンク剤に頼って乗り切るということを続けていても、しょせんそれは「その場しのぎ」。いつかは「限界」がやってきます。
若いうちはまだ無理がきくかもしれませんが、それが何年何十年と蓄積すると、体は内側から悲鳴を上げます。そうなってからでは遅いのです。
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