壁はどうなる?「またトラ」でメキシコは大揺れ 移民、関税、麻薬問題標的になる可能性大
トランプ新大統領の誕生によって、アメリカ大陸で1億3000万人近い人口を抱えるメキシコほど大きな衝撃を受ける国はないだろう。
ドナルド・トランプがホワイトハウスに戻る準備を進めている今、メキシコは貿易、移民、麻薬取引に対する彼の攻撃的な姿勢のターゲットに再びなろうとしている。
バイデンとは異なる移民政策
メキシコがバイデン政権による移民規制の対象国として台頭した後、今年に入って移民目的でアメリカ入りする人の数が激減したにもかかわらず、トランプ大統領の選挙公約は、この先複雑で争いの絶えない道が待っていることを示唆している。
トランプは関税の引き上げ、貿易に関する再交渉、さらには、麻薬カルテルに対する軍事介入を公約として掲げている。クラウディア・シェインバウム大統領率いるメキシコの指導者たちがこの状況をどう乗り切るかは極めて重要であり、今後数年間の北米外交の基調を決める可能性がある。
本稿では、トランプ次期大統領がアメリカとメキシコの関係をどのように再構築するかについて知っておくべき4つのことを紹介する。
1. トランプは国境警備を強化し、不法入国している数百万人の移民を強制送還すると宣言している
前任者(バイデン大統領)と同様、トランプはアメリカの移民制度を作り直す大きな計画を持っている。しかし、両者のビジョンはこれ以上ないほど異なっている。